スキルアップ
2013年11月18日
ドラッカーの「仕事の最大効率を知る言葉」
[連載] スキマ時間の1分間を有効活用。偉人の名言で自分磨き【2】
『1分間ドラッカー』より
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たった1分で偉人たちのエッセンスが学べる連載。今回は、マネジメントの神様・ドラッカーの「仕事」の最大効率を知る言葉を紹介します。通勤時間や待ち時間など、「スキマ時間の1分間」を活用して、自分磨きに役立ててください。


報告と手続きは誤った使い方をされると、道具ではなく支配者となる。


 かつて、トヨタ生産方式の「かんばん」が注目された時、正しい運用法を知らずに形だけまねする企業が後を絶たなかった。その結果、在庫を減らす道具であるかんばんが、かえってムダな在庫を増やすことになったり、協力会社に無理な要求を押しつけるといった問題が続出した。

 使い方を誤ると、どんなに優れた道具も害をなす。

 報告と手続きもありふれた道具だが、これほど誤って使われ、害をもたらすものはない──とドラッカーはいう。

 たとえば報告と手続きを管理の道具として使うと、必要もない情報を本社スタッフに知らせるために何十種類もの書類を書くことが必要になり、現場は肝心の生産をする時間が奪われてしまう。

 実際よりもよく見せることに力を入れるようになる、という弊害もある。ある企業など、報告書のすばらしさに感激したトップが現場に行ったところ、実際の現場は以前とほとんど変わっていなかった、という話を聞いたことがある。

 こうした愚を防ぐためには、報告と手続きの数を最小限にとどめ、時間と労力の節約のためにのみに使うべきだとドラッカーはいう。試しにあらゆる報告を2か月間、廃止してみるといい。現場がどうしても必要なものだけを復活させた時、その数は以前の何分の一かに激減しているはずだ。

(了)
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1分間ドラッカー
最高の成果を生み出す77の原則
西村克己 著



【著者】西村克己(にしむら かつみ)
芝浦工業大学大学院客員教授、経営コンサルタント。1982年東京工業大学「経営工学科」大学院修士課程修了。富士写真フイルム株式会社を経て、1990年に日本総合研究所に移り、主任研究員として民間企業の経営コンサルティング、講演会、社員研修を多数手がける。2003年より芝浦工業大学大学院「工学マネジメント研究科」教授、2008年より芝浦工業大学大学院客員教授。専門分野は、経営戦略、MOT(技術経営)、戦略的思考、プロジェクトマネジメント、ロジカルシンキング。著書に、『よくわかる経営戦略』『よくわかる経営工学』『経営戦略のトリセツ』(共に、日本実業出版社)、『図解 あなたの会社の「経営戦略」がわかる本』(PHP研究所)、『戦略的な考え方が身につく本』(中経出版)、『ポータブル経営戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経営戦略1分間トレーニング』(SBクリエイティブ)ほか、多数。