スキルアップ
2013年12月24日
マイケル・ポーターの「日本のV字回復に必要な言葉」
[連載] スキマ時間の1分間を有効活用。偉人の名言で自分磨き【5】
『1分間マイケル・ポーター』より
  • はてなブックマークに追加

たった1分で偉人たちのエッセンスが学べる連載。今回は、戦略の世界的な研究者であるマイケル・ポーターの日本のV字回復に必要な言葉を紹介します。通勤時間や待ち時間など、「スキマ時間の1分間」を活用して、自分磨きに役立ててください。


秘密にされ、経営陣以外に知らされない戦略など、なんの役にも立ちません。


 戦略はお飾りではない。社員みんなが共有し、日々の行動や判断のよりどころにしてこそ競争力につながる。

 ポーターは言う。

「戦略を組織全体に伝えることは本当に大切です。秘密にされ、経営陣以外に知らされない戦略など、なんの役にも立ちません」

 日本企業も進化してはいるが、まだ上意下達(じょういかたつ)の風潮が残っている。戦略の目的は、組織にとって望ましい選択を誰の指示がなくとも、社員1人ひとりが単独で下せるようにすることにある。日本企業はもっと戦略的になるべきだろう。

 赤字のスカンジナビア航空(SAS)再建のために別の航空会社から社長に就任したヤン・カールソンは、最前線の社員がサービスの質を高めることを重視した。

 顧客にとって、経営陣や間接部門の人間などどうでもいい。直接接する人たちの態度だけが重要だ。そこで問題が起こり、的確に処理されなければ、立派な戦略や理念も無意味になる。

 カールソンはSASの戦略や総合的ビジョンを掲載したA5判の「小さな赤い本」を2万人の社員に配布、現場の社員が判断を下せるようにした。上司に指示を仰ぐ代わりに「赤い本」に沿って迅速に判断をするように求め、権限もゆだねた。

 SASは、カールソン社長就任初年度に8000万ドルの収益増を達成した。

(了)
  • はてなブックマークに追加





1分間マイケル・ポーター
「競争の戦略」を理解する77の原則
西村克己 著



【著者】西村克己(にしむら かつみ)
岡山市生まれ。芝浦工業大学大学院客員教授、経営コンサルタント。1982年東京工業大学「経営工学科」大学院修士課程修了。富士写真フイルム株式会社を経て、1990年に日本総合研究所に移り、主任研究員として民間企業の経営コンサルティング、講演会、社員研修を多数手がける。2003年より芝浦工業大学大学院「工学マネジメント研究科」教授、2008年より芝浦工業大学大学院客員教授。専門分野は、MOT(技術経営)、経営戦略、戦略的思考、プロジェクトマネジメント、ロジカルシンキング、図解思考。著書に、『よくわかる経営戦略』(日本実業出版社)、『論理的な考え方が身につく本』(PHP研究所)、『経営戦略1分間トレーニング』『1分間ドラッカー』『1分間マイケル・ポーター』『1分間コトラー』(共に、SBクリエイティブ)など多数。