スキルアップ
2013年12月26日
五輪招致を決めた「チームプレゼン」の巧みな仕掛けとは
[連載] 心を動かす!「伝える」技術【2】
文・荒井 好一
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2013年のビッグニュース、2020年・東京での五輪開催決定。その勝利をつかんだ最終プレゼンには、さまざまな巧みな仕掛けがありました。ここでは、五輪招致のチームプレゼンから学べる、心を動かすスピーチ原稿の構成術について見ていきましょう。


伝えるコンテンツをいかに構成するか


 五輪招致における日本チームのスピーチ原稿(コンテンツ)の構成は、プレゼンのコンサルタントとして就いたニック・バーリー氏のディレクションに基づいていました。そこでは、アップルのスティーブ・ジョブズが多用した手法「3つのルール」を使いながら、基本の組み立ては、いわゆる「起承転結」の四段構成話法を採用していました。

 7人のプレゼンターを「起承転結」、それぞれの役割で明確に組み合わせ、チームとして機能させました。それは、一人のスピーチに長い時間をかけるのではなく、次のように3分前後から長くても5分程度のスピーチをバトンリレーさせていく方法でした。

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・佐藤真海    (パラリンピアン)3分56秒
   映像    「フィール・ザ・パルス」
・竹田恆和    (招致委員会理事長)3分37秒
・水野正人    (招致委員会副理事長/専務理事)3分25秒
   映像    「選手村&球技会場案内」
・猪瀬直樹    (東京都知事/招致委員会会長)3分13秒
・滝川クリステル (招致"Cool Tokyo"アンバサダー)2分24秒
・太田雄貴    (オリンピアン/招致アンバサダー)2分27秒
・安倍晋三    (内閣総理大臣)5分13秒
   映像    「シェア・ザ・パルス」
・竹田恆和    (招致委員会理事長)4分35秒
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 この「起承転結」が組み込まれたチームプレゼンは、コンテンツの構成方法を学ぶためにも、うってつけの生きた教材です。また、メッセージや主張もすべて「3つのルール」で構成している巧みさを学びましょう。

 「起承転結」の各プレゼンについては、SB新書『心を動かす!「伝える」技術』で詳しく分析していますが、ここでは、「起」と「転」から学べるプレゼン原稿の構成術を見ていきます。

『心を動かす!「伝える」技術 五輪招致7人のプレゼンターから学ぶ』(荒井好一 著)より ※クリックすると拡大

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心を動かす!「伝える」技術
五輪招致7人のプレゼンターから学ぶ
荒井好一 著



【著者】荒井 好一(あらい よしかず)
総合広告会社・大広(業界4位)に38年在籍し、クリエイティブ・ディレクターとして、パナソニック、キリンビール、武田薬品などを中心に600本余りのプレゼン歴がある。クリエイティブ局長、経営企画局長を経て人事担当役員に就任し、専門教育プログラムを開発。2010年に、「一般社団法人 日本プレゼン・スピーチ能力検定協会」を設立し、理事長に就任。 新しいプレゼンテーションとスピーチの価値を開発・啓蒙すべく、日々研究を重ねている。 「目・手・声」の身体コミュニケーション機能を駆使する独自のメソッドで、「プレゼン・スピーチセミナー(全5回コース)」を、東京・永田町教室で30 期、大阪教室で5期、開催してきた。企業研修でも、みずほ総研のプレゼンテーション講座や、東京海上日動火災保険のカフェテリア研修に採用されている。企業経営者や幹部向けを含むパーソナルレッスンを60回以上実施。IT企業や技術メーカーの「伝えられる技術職」「売れる営業職」のスキル向上にも貢献し、高い評価を得ている。 著書に、『心を動かす!「伝える」技術 五輪招致7人のプレゼンターから学ぶ』(SBクリエイティブ)、『日本人はなぜスピーチを学ばないのだろう』(象の森書房)がある。