「いっぺんに覚えたほうがいい.........×」
「すべて分けて覚えたほうがいい！...◎」

　もちろん、目で見て覚えるのが一番です。ですが、例外もあります。つまり、目で見て覚える方法は万能ではないということは、あらかじめ頭に入れておいてください。

　その例外とは、英単語の綴つづり（スペル）や、漢字問題です。

　なぜなら、綴りは「書く」ものだから、綴りと呼ばれるわけであって、漢字も「書け」と出題されるものだからです。ダイレクトに「書け」と問題として出されるわけですから、目で見て覚えるのは、逆に非効率になります。つまり、英単語の場合は、意味に関しては目で見て覚えるが、綴りに関しては、書いて覚えるのが正解です。マークシート形式の出題がメインなのであれば、綴りに関しては、覚える必要はないでしょう。

　漢字問題に関しても、「書け」と出題されるものに関しては、書いて覚えるのが一番です。ですが、「読め」と出題されるものに関しては、目で見て覚えるのが正しいのです。

　ここで、重要なことがあります。

　記憶をするときには、「分けて記憶する」というのが、必勝法だということです。

　英単語も、意味を覚えることと、綴りを覚えることは、別々に考えるのです。

　書いて覚えたら、意味も綴りも同時に覚えられるから、そのほうが効率的なのではないか？　と思う方もいらっしゃるでしょう。ですが、この「同時に覚える」というのが、非効率なのです。

　英単語の場合は、１単語につき１つの訳語の場合が、一番楽に覚えられます。１単語につき、４つ、５つと意味があるものの場合は、同時に覚えるのはかなり大変です。なので、１単語につき１つの訳語で覚えた後に、ほかの意味を付け加えていくほうが、簡単に暗記できます。

「一度に覚えよう」
「いっぺんに覚えよう」

　と思えば思うほど、時間がかかります。どんどん細かく分けていくことが、記憶の必勝法なのです。

「分けることは、わかること」

　あなたが勉強ができなかったり、わからない物事があるというときは、それを分けていないからなのです。たとえば、あなたが「数学が苦手だ」という場合、２次関数が苦手なのか？　図形問題が苦手なのか？　方程式が苦手なのか？　文章問題が苦手なのか？　計算問題が苦手なのか？　つるかめ算が苦手なのか？　自分自身で、わかっていましたか？

　苦手教科というのは、「どこが苦手なのか自分でもわかっていない」という状態だからこそ、苦手になっているのです。

　「日本史が苦手だ」という場合は、古代史が苦手なのか？　平安時代が苦手なのか？　江戸時代が苦手なのか？　近代史が苦手なのか？　現代史が苦手なのか？　がわかっていないから、苦手なのです。

　逆に、どこができないかを、分けて考えて突き詰めることができれば、苦手教科は克服できます。

　分けて考えれば、あとは、１つずつ攻略するだけなのです。ゾウは体が大きいので、莫大なエサを必要とします。でも、ゾウがエサを食べるときでさえ、「一口ずつ」しか、食べられないのです。勉強も同じです。

　いかに、分けていけるか？　が大切なのです。

　つまり、たとえば英単語を暗記するときに、あなたが作り出すべき状態は何かというと、「英単語の意味はわかっているが、綴りは書けない状態」にまずはなることです。そして、その後に、綴りだけを書いて覚えればいいのです。

　多くの人が、ゾウにエサを一度に食べさせようとして、失敗しています。そうではなく、一口ずつエサを食べさせればいいのです。それと同様に、常に、覚えることも、分け続ける。そして、「ひとつひとつ攻略していくこと」で、記憶のスペシャリストになれるのです。

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