カルチャー
2014年3月25日
ドバイの女子大学生が日本に来てビックリしたコトとは?
[連載] 住んでみた、わかった! イスラーム世界【3】
文・松原直美
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2020年までに日本も「ハラール食」に対応する必要が...


 飲食店では食事の問題が持ち上がりました。イスラームでは豚を食べることを禁じていますが、それ以外の肉なら何でも食べてよい、というわけではありません。牛や鶏もイスラームの教えにのっとった方法で処理されていなければ食べてはいけない、など細かい規則がたくさんあるのです。

 こうしたイスラームに則した合法的な食べ物は「ハラール食」と呼ばれます。2020年の東京五輪に向けて、イスラーム教徒の観光客をもてなすためにもハラール認証を得た食事がもっと必要とされていくことでしょう。

 さて、ドバイ女子軍団は飲食店に入るなり「イスラーム教徒なので植物油を使ってもらえますか?」「豚肉を抜いてもらえますか?」など数々のお願いをしましたが、どの飲食店でも注文の多い客を快く受け入れてくれました。

 日本の洋菓子スイーツには全員が虜に。UAEは裕福な国ですがスイーツはまだまだ発展途上で、日本で売っているような美しくて繊細な洋菓子はないのです。UAE人女子たちはお菓子を指差しながら「お酒を使っていませんか」と一つひとつ店員に聞いていきました。

 ほとんどの店員はそのような質問に慣れていなかったようですが、「ちょっと待ってくださいね」と言って、店員同士でお酒の有無について成分表示をきちんと調べ、お酒が入っている場合ははっきりその旨を伝えてくれました。

日本人の親切さが、外国人旅行者の日本好感度をアップさせている


 学生たちはもしや「アラブ人やイスラーム教徒=テロリスト、と日本で考えられているのでは」と不安を抱いており、引率教員の一人である私も「アラブ人の団体を見て顔をしかめる日本人が多いのではないか」と心配していました。

 しかし、日本人からいやな表情をされることはありませんでした。学生たちは「目が大きくてきれいね~」「どこから来たの?」「日本語が上手ね」などと話しかけてもらうこともあり、「ドバイはどんなところなの?」と質問を受けると一生懸命日本語で答えていました。

 後日、学生の研修旅行がドバイのラジオ番組で採り上げられたときのこと。スタジオの収録に参加した学生ヒバさんは「自由行動の時間、道に迷ったら日本人は目的地まで連れて行ってくれた。すべての人が感じよく接してくれた。日本のことは前から好きだったけれど、日本に行って彼らの親切心に触れたらもっと好きになった」とマイクの前で熱く語ってくれたのでした。

(第3回・了)





住んでみた、わかった! イスラーム世界
目からウロコのドバイ暮らし6年間
松原直美 著



【著者】松原 直美(まつばら なおみ)
1968年東京生まれ。上智大学経済学部卒業。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際関係学専攻博士後期課程退学。タイの公立高校日本語講師を経て、ドバイへ2006年に移動。UAE国立ザーイド大学にて日本語指導と空手道の初代講師として、2007年~2012年まで勤務。UAEでは茶道の振興にも携わった。現在はロンドン在住だが、UAEと日本の架け橋となるべく活動を続けている。著書に『住んでみた、わかった! イスラーム世界』がある。 ブログ「ドバイ千夜一夜」(http://blogs.yahoo.co.jp/dubai1428)は、2007年から連載をはじめ、もう少しで1000回を数える。
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