カルチャー
2014年4月2日
自分の「遺伝子」に応じた、最適なダイエット方法があった!
[連載] 最短で効く!遺伝子タイプ別ダイエット【1】
文・白澤卓二・DHC
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「肥満遺伝子」=「倹約遺伝子」だった


 「肥満遺伝子」と呼ばれるものは、人類が食料の乏しい時代を生き抜く上で、脂肪を蓄えるために獲得したものと考えられており、「倹約遺伝子」とも言われます。これは日本人を含むモンゴロイドに多く見られるもので、白人に比べて飢餓の時代が長く、生き残るのに深刻な状況下では、この「倹約遺伝子」を持っている人種が選択的に生き残ることができたと考えられます。日本人は「倹約遺伝子」を持つ頻度が欧米人の2~4倍にも達しています。

 太古の時代から「倹約遺伝子」を持っていた人種が、ここ数十年の間に動物性脂肪の多い高脂肪食やお菓子、ジュースといった糖度の高い食品を多く摂取する生活習慣になったために、余剰の糖が脂肪として体内に蓄えられるようになりました。

 さらに交通機関の発達などによる基本的な運動不足が拍車をかけています。自動車保有台数の増加と糖尿病総患者数の増加についても相関が見られ、現代では残念ながら「倹約遺伝子」の働きと我々の生活習慣はうまく噛み合っていないことがわかります。

 文字どおり遺伝子レベルの問題ですから、その成り立ちや働きを理解してこそ、抑制する正しい方法が分かるということになります。

検査で肥満に関する遺伝子を持っているかどうかが判明


 周囲の人々が「痩せた」というダイエットに挑戦して、思うような効果が上がらなかったとしたら、それは自分が受け継いでいる肥満遺伝子を効果的にコントロールすることができていないから、ということも考えられます。

 『DHCの遺伝子検査 ダイエット対策キット』のように、肥満に関する遺伝子は、口のなかの粘膜を採取するだけで測定できます。自分の体質を知りたい人は、自分がどのような「遺伝子多型」(遺伝子を構成するDNA配列の個体差)を持っているか、調べてみるといいでしょう。肥満は社会的環境、食生活や生活習慣が第一の要因であることは前述のとおりですが、自分にもっと適したダイエット法が見つかるかもしれません。

 科学的に根拠があるという意味で理にかなっており、効率的に最短の経路、道すじで効果をあげると考えられる「痩せるダイエット」の第一歩は、遺伝子を知ることから始まるのです。

次回は、大きく分けて3つある肥満遺伝子の型(タイプ)について解説していきます。

(第1回・了)





最短で効く!遺伝子タイプ別ダイエット
自分の「遺伝子型」を知れば、痩せられる
白澤卓二・DHC 著



【著者】白澤卓二(しらさわたくじ)
順天堂大学大学院医学研究科、加齢制御医学講座教授。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て2007年より現職。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。著書に『100歳までボケない101の方法』『老いに克つ』『免疫力をアップする、塩麹のおかず』『100歳までボケない手指体操』『100歳までサビない生き方』『「砂糖」をやめれば10才若返る!』など。

DHC(でぃーえいちしー)
ライフサイエンス事業部は、化粧品・健康食品を展開する株式会社DHCの事業部門のひとつ。「自分の体質をよく知ることで上手に健康管理をし、いつまでも元気に過ごしていただく」をテーマに、遺伝子検査キットおよび検査結果に対応したサプリメントや化粧品などを開発・販売。最新科学に基づいた検査で遺伝的リスクを調べ、体質に合ったライフスタイルを提案している。また、「ダイエット対策キット」の検査者を対象に、「3カ月ダイエット」や「体質別ダイエット合宿」を実施するなど、遺伝子検査を中心に科学的根拠に基づいた商品・サービスの開発を行い、遺伝子レベルから健康と美容をサポート。「ダイエット対策キット」のほか、「美肌対策キット」がある。
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