ビジネス
2014年4月22日
マッキンゼー流・論理思考──頭がいいのに仕事もプライベートも「うまくいかない」人がいるワケ
『マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書』より
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なぜ、マッキンゼー出身者は各業界で活躍できるのか? その秘密はマッキンゼーの新人研修&OJTにあった。マッキンゼーの厳しい新人研修のエピソードを紹介しながら、そこで叩き込まれる「マッキンゼー流ロジカルシンキング」のエッセンスを解説した『マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書』から、その一部を紹介しましょう。


マッキンゼー流のロジカルシンキング(論理思考)とは?


 最初に、個人的なことをお話しますが、私は「ロジカルシンキング(論理思考)」が大好きな人間ではありません。

 どちらかといえば「直感」や「いい感じ」といった、自分の感覚を大事にするタイプだと思っています。

 それなのに、なぜマッキンゼーという、世間のイメージではロジカルシンキングの権化のような場所で修業をして、そのあともコンサルタント、エグゼクティブ・コーチとして「ロジカルシンキング」とは切っても切れない仕事をしているのか。

 自分でも不思議なのですが、その理由は、マッキンゼーで体験した「ロジカルシンキング」が、すごくクリエイティブなものだったからだと思っています。

 常に「自分なりの答え」「独自の知見」をつくり出そうとする姿勢は、クリエイティブな空気にあふれたラボのような印象でした。

 "ゼロ発想"という言葉に象徴されるように、過去の経験や知見をもとにしながら、同時に、ときには無邪気なぐらいそれらに縛られず、「それ、いいね」とみんなを引き寄せるバリューのあるアウトプットを出すことが「当たり前」。

 私が経験した「ロジカルシンキング」というのは、その人にしかできないクリエイティブな発想や仕事を生み出すためにあるものだったのです。

 社会人になって最初に、その基本を叩き込まれたからこそ、私のように感覚的な人間でも「ロジカルシンキング」を身に付けたいと思ったわけです。

 なぜなら「ロジカルシンキング」を武器にすれば、自分の思考がすごくスッキリしてクリエイティブな発想を生かすことができ、みんなに「それ、いいね」と賛同してもらえることが増えるのですから。

 皆さんはどうでしょうか。「ロジカルシンキング」って、フレームワークだとか、なんとなく堅苦しいイメージで苦手。もしかしたら、そんなふうに感じている人もいるかもしれません。

 難しい内容を「理路整然と聞かされる」ような印象もありそうです。

 言っていることは正しいけれど、なんだかぐっとこない。

 誰だって、そんなものと付き合いたくはないですよね。私がお伝えしたいのは、それとはまったく逆で、皆さんの魅力やバリューをアップさせるための思考術と行動です。

 本当の「ロジカルシンキング」は、「それ、面白い! どうやったらできるの?」と、相手が身を乗り出したくなるような提案や行動を生み出してくれるものなのです。

 では早速、ちょっと考えさせられるケースを見ながら、「ロジカルシンキング」のオリエンテーションに入っていきましょう。



マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書
大嶋祥誉 著



【著者】大嶋祥誉(おおしま さちよ)
センジュヒューマンデザインワークス代表取締役。エグゼクティブ・コーチ、組織開発・人材育成コンサルタント。上智大学外国語学部卒業。米国デューク大学Fuqua School of Business MBA取得。米国シカゴ大学大学院人文科学学科修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーでは、新規事業のフィージビリティスタディ、全社戦略立案、営業戦略立案などのコンサルティングプロジェクトに従事。その後、ウイリアム・エム・マーサー、ワトソンワイアット、グローバル・ベンチャー・キャピタル、三和総合研究所にて、経営戦略や人材マネジメントへのコンサルティングおよびベンチャー企業支援に携わる。2002年より独立し、エグゼクティブ・コーチング、組織変革コンサルティング、チームビルディングやリーダー開発に従事する。著書に『マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書』『マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書』(SBクリエイティブ)がある。
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