カルチャー
2014年5月20日
寝つきをよくしたければ、帰りの電車でゼッタイ眠るな!
[連載] 9割の不眠は「夕方」の習慣で治る【2】
文・白濱龍太郎
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寝つきの悪い人に朗報! 多忙でストレスを抱えがちなビジネスパーソンの現実に適した、夕方以降(終業後、帰宅後)のちょっとした習慣で入眠を誘い、翌朝スッキリ起きられる「白濱式・48の睡眠メソッド」を解説した『9割の不眠は「夕方」の習慣で治る』から、すき間時間に誰でも実践できる睡眠のマネジメントを紹介します。


会社を出たらネクタイを外す


 前回の説明で、眠るためにはリラックスが大事なのはわかったけど、ではリラックスってそもそも何?
 このような疑問を抱いている人もいるかと思います。
 ここでは、その答えを簡単に説明しておきましょう。

 人間の睡眠メカニズムには、基本的には夜になると眠くなって睡眠を取るという生体リズムが働いています。これは遺伝子に組み込まれているもので、体内時計によってコントロールされています。

 そして体内時計を調整するのが自律神経です。自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類の神経で構成されています。
 交感神経は緊張しているときに働く神経で、日が昇り始めるとともに活動を始め、昼頃にピークを迎えます。

 一方で副交感神経は、リラックスしているときに優位になる神経です。一日の活動で傷ついた細胞などを回復させることを目的として、日没の頃から働きが活発になり、睡眠中に最も活動性が高くなります。

 つまり、副交感神経をよく働かせ、交感神経の働きを鎮めることが、スムーズな入眠につながるのです。逆に副交感神経がきちんと働かないと、なかなか寝つけなかったり、眠りが浅くなったりして、心身を十分に休めることができなくなります。

 前回説明したチョコレートの摂取も、副交感神経を活性化させるためのひとつの方法です。ほかにも、終業後にネクタイを外すだけでも、緊張状態を緩和させる働きは小さくありません。
 些細なことですが、会社を出てからは少しずつ解放感を積み重ねて、リラックス効果を"自分の脳を騙すように"演出することがポイントです。

 もちろん、ジムやコンサートなど、寄り道をしてプライベートな時間を楽しむのも手です。「興奮し過ぎると眠れなくなるのでは?」という不安を抱く人もいるかと思いますが、眠る直前ならともかく、適度な楽しみやリラックス効果は睡眠に欠かせない副交感神経の働きを活発にします。

帰宅時の電車の中では絶対に眠らない!!


 夕方以降、リラックスすることを意識すると、電車の中でつい眠たくなってしまうことがあります。しかし帰宅途中の電車の中こそ、睡眠の質を左右する最も注意すべき時間帯といっていいでしょう。
 ずばり、帰りの電車の中では絶対に眠らないようにしてください。

 前回説明しましたが、朝起きた人間の体は夕方頃に自然と体温が高くなり、夜にかけて徐々に下がっていきます。この落差が眠気を催し、スムーズな入眠に導きます。
 しかし、夕方に眠ってしまうと上がるはずの体温が上昇せず、眠る時間になっても体温が下がらなくなります。そうなると睡眠のリズムが崩れ、なかなか寝つけなくなります。

 私のクリニックに初めて来る患者さんに、意外と共通しているのが「帰りの電車の中で寝ている」という点です。逆にいうと、この時間帯の睡魔をコントロールすることで、入眠のしやすさがグッと改善された患者さんも少なくありません。

 夕方の時間帯は、いわゆる「睡眠の禁止ゾーン」。仮眠を取る場合は、「15時までに20分以内」という睡眠のルールを忘れずにいてください。
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9割の不眠は「夕方」の習慣で治る
白濱龍太郎 著



【著者】白濱龍太郎(しらはま りゅうたろう)
睡眠専門医・RESM(リズム)新横浜睡眠呼吸メディカルケアクリニック院長。関東初の睡眠時無呼吸症候群の病院長を務め、現在は新横浜に、寝具メーカー丸綿本社内に、睡眠障害、呼吸器内科疾患専門のクリニック「RESM(リズム)新横浜」を開設。いま多くのビジネスパーソンを悩ます、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、むずむず脚症候群、REM睡眠行動障害等の保険診療が可能な専門施設として注目される。治療にとどまらず、栄養指導や生活習慣指導を実施。自身も体調管理や健康への意識は高く、休日にはサーフィンやトライアスロンの大会に出るなどアクティブに活動。最近はワールドビジネスサテライト出演、日経新聞掲載をはじめマスコミ露出が多く、休診日には全国にて講演を行うなど、「睡眠」の分野でいま最も注目されるドクターである。著書に『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』(アスコム)、『9割の不眠は「夕方」の習慣で治る』(SB新書)などがある。