スキルアップ
2014年8月6日
漢字「通」なら答えられて当たり前!? 動物を使った四字熟語クイズ
[連載] 読むだけで人間力が磨かれる、大人の漢文【番外編】
監修・田部井文雄
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Question1 「画_点睛」(難易度 低)


Answer

 下線部に入るのは、「竜」。「がりょうてんせい」または「がりゅうてんせい」と読みます。「画竜」は、絵に描いた竜。「睛」とは瞳のことで、「点睛」とは瞳を書き入れること。比較的有名な四字熟語ですよね。

 これは、『歴代名画記』という本の次のような話から生まれた四字熟語です。

 6世紀ごろのこと、本物そっくりの絵を描くというので評判の張僧繇(ちょうそうよう)という画家がいました。彼がある寺の壁に竜の絵を描いたときのこと、出来上がったというので見てみると、竜の瞳だけが描き入れてありません。本人いわく、「瞳を書き入れたら竜が飛び去ってしまう」というのです。

 まわりの人は信じられず、強要して瞳を描き入れさせました。すると、突然、雷鳴が鳴り響いたかと思うと、竜は絵を抜けだして、はるか天のかなたへと飛び去ってしまった、ということです。

 ここから、「画竜点睛」は、最も大切な部分を最後に仕上げて全体を完成させることのたとえとして使われます。「画竜点睛を欠く」といえば、仕上げがきちんとしていないために全体がダメになってしまうこと。「招待状の宛名の漢字を間違えるなんて、画竜点睛を欠いている」のように使えます。

 それにしても、瞳を描き入れたとたんに竜が天に昇っていくとは、迫力がありますね。その迫力を十分に踏まえた上で使いこなしたい四字熟語です。

Question2 「暴_馮河」(難易度 中)


 答えは次のページで





読むだけで人間力が磨かれる、大人の漢文
こんな場面で使いこなしたい!
田部井文雄 監修



【監修】田部井文雄(たべいふみお)
1929年生まれ。東京教育大学大学院修士課程修了。都留文科大学、千葉大学教授を経て、現在、湯島聖堂斯文会参与。『大漢和辞典』を初めとする漢和辞典、高校教科書などの編集に数多く携わり、NHKラジオ、テレビの放送なども担当。現在は、朝日カルチャーセンターや湯島聖堂斯文会などで、漢詩文に関する講義を行っている。主な著書に、『唐詩三百首詳解(上・下)』『中国自然詩の系譜』『四字熟語物語』(いずれも大修館書店)、『陶淵明集全釈』(共著、明治書院)、『漢文塾 漢字文化の魅力(上)』『漢詩塾 漢字文化の魅力(下)』(いずれも明治書院)など。また、『親子で楽しむこども論語塾』(明治書院)、『絵でみる論語』(日本能率協会マネジメントセンター)、『読むだけで人間力が磨かれる、大人の漢文』(SB新書)などの監修も務めている。
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