カルチャー
2014年8月28日
知らないと損する年金リテラシー
~女性が気をつけるべき「遺族年金」
[連載] 知らないと損する年金リテラシー【5】
監修・浜田裕也
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あまり考えたくないが、遺族年金の知識も持っておくべき


 今回は万が一夫が亡くなってしまった場合の年金、つまり遺族年金のお話をしていこうと思います。実際の相談現場では、遺族年金の手続きをされる方の大半は60代後半以降の方ですが、中には現役世代の夫が死亡してしまったケースも少なからず見受けられます。

 現役世代の夫が死亡した場合、残された妻には小さいお子さんがいることも多く、その後の生活、特にお金の不安が大きくのしかかってきます。「遺族年金だけではとても生活ができそうにない。子どもは小さいですが今から仕事を探さなければ」という方も...。

 夫が亡くなってしまうことを考えるのはあまりいい気がしないでしょう。しかし、万が一に備えての準備は夫が生きている間でしかできませんし、夫が亡くなってしまうと今の生活水準を維持することは厳しくなってしまうのが一般的です。

 今回以降のお話は少し難しいですが、皆さんにも遺族年金のイメージや知識をぜひ身につけて欲しいと思いますので、頑張って読んでみてください。

 なお、遺族年金は夫婦の状況によってもらえる金額が大きく異なります。今回のお話はあくまでも大まかなイメージを持ってもらうためなので、「私たちのケースでは一体どうなるの?」ということは、最寄りの年金事務所で相談してください(共済年金の場合は各共済組合)。夫婦とも50歳以上の場合、年金事務所で遺族年金の見込額を試算してもらえます(共済年金は各共済組合に問い合せてください)。50歳未満の方は残念ながら「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などで遺族年金の見込額を知ることはできないため、自分で大まかに試算するか専門家に依頼してみましょう。

妻が65歳になるまでは遺族厚生年金に手当が加算される


【ケース1】
夫:56歳会社員 年収600万円 勤続33年
妻:55歳パート主婦  年収100万円 (今まで厚生年金の加入なし)
子:成人 独立して親とは別居
上記の夫が亡くなった場合の遺族年金は以下のようになります。

(妻が65歳になるまで)
遺族厚生年金   年額 約84万円
中高齢寡婦加算 年額 約57万円
合計 年額 約141万円

(妻が65歳になったあと)
遺族厚生年金 年額 約84万円
妻の国民年金 年額 約60万円とする
合計 年額 約144万円

※上記の事例は大まかな計算および金額で試算していますので予めご了承ください。

 会社員の夫が亡くなった当時妻が40歳以上であれば、妻が65歳になるまで中高齢寡婦加算という手当が加算されます。したがってこのケースの場合でも、妻が65歳になるまでは遺族厚生年金には中高齢寡婦加算という手当が加算されます。しかしそれでも年額約141万円。夫が生きていた時の年収の4分の1以下になってしまいます。

 夫が亡くなったあとの収入は、遺族年金約141万円とパート収入100万円を合わせて年額約241万円。月額にすると約20万円になります。夫が生きていた頃の収入と比べると厳しいですが、この金額であれば何とか生活はできるでしょう。

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転職したり、フリーランスだったり、離婚を経験した人は知らないと損する、年金の話
浜田裕也 監修



【監修】浜田裕也
学習院大学理学部数学科卒。大学卒業後、塾講師(対象の生徒は小・中学生。数学と理科を担当)を経てファイナンシャルプランナー(CFP)へ転身。ファイナンシャルプランナーとして活動を続ける中、社会保障、特に年金制度に興味を持ち始め社会保険労務士の資格も取得。その後、社会保険労務士会の業務委託で年金事務所にて年金に関する相談も受けるようになり、相談件数は年間1,000件を超える。複雑な年金制度の解説や具体的な申請手続きの進め方のアドバイスには定評がある。老後の生活設計や将来の年金額のシミュレーションなどの記事が「週刊東洋経済」や「プレジデン」トなどに掲載されるほか、監修として『日本でいちばん簡単な年金の本』(洋泉社 第3章監修)、『転職したり、フリーランスだったり、離婚を経験した人は知らないと損する、年金の話』(SB新書)などがある。