カルチャー
2014年9月25日
知らないと損する年金リテラシー
~将来もらえる国民年金は生活保護より少ない?
[連載] 知らないと損する年金リテラシー【9】
監修・浜田裕也
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国民年金の保険料免除といっても全額免除から1/4免除まである


 前回は学生の保険料免除のお話をしましたが、それ以外にも国民年金の保険料免除制度にはいくつかの種類があります。そこで今回は、全額免除、3/4免除、半額免除、1/4免除の4種類についてお話をしようと思います。

 なお、国民年金の免除制度を利用できる方は国民年金の第1号被保険者の方だけです。大まかにいってしまうと、自営業者やフリーランサー、失業中の方、学生などがそれに当たります。厚生年金や共済年金に加入中の方、およびその配偶者などの方は国民年金の免除制度は利用できませんのでご注意ください。

 今回、紹介する国民年金の免除を利用される方は様々ですが、以下に私が実際のご相談を受けた方たちを挙げてみます。

・夫が会社を退職し、次の仕事を見つけるまでの夫婦
・夫婦ともに自営業
・成人している子どもがニートやひきこもりになってしまった
・会社に勤めていたが病気になってしまい退職
・夫が年金生活に入った60歳未満の妻 など

 今後、皆様の中にも上記に当てはまる可能性がまったくないとは言い切れないと思います。原則として、年金などの公的手続きは待っているだけでは誰も何もしてくれません。自分で知識を得て、自分で行動するしかないのです。今回の知識も持っていて損はしませんので、ぜひ皆様の頭の片隅にでもおいて頂ければ嬉しいです。

それぞれの免除保険料と将来もらえる国民年金のバランスは?


 それでは、まずそれぞれの免除と保険料の関係からみていきましょう。

 全額免除に該当した場合、月額保険料は0円、つまり保険料を納めなくてもよいことになります。一方、全額免除以外の残りの3つの免除は、規定の保険料を納める必要があるので注意が必要です。

 例えば4分の3免除に該当した場合、月額保険料の4分の3は免除されるのですが、残り4分の1の保険料約3750円は納めなければなりません。半額免除ならば半分の約7500円、4分の1免除なら残りの4分の3の約1万1250円を納める必要があります。

 次にそれぞれの免除に該当した場合、将来の国民年金はどのくらいもらえるのかについてみていきましょう。

 全額免除を1カ月利用すると将来の国民年金は年額で約800円増えます。通常納付の場合、月額約1万5000千円を納付して国民年金は年額約1600円増えますから、全額免除は通常納付のちょうど半分の年金がもらえることになります。以下は納める保険料と将来もらえる国民年金の比較表です。

免除保険料と将来もらえる国民年金 ※クリックすると拡大


 今回ご紹介している4種類の免除には所得制限があり、本人、世帯主、本人の配偶者の所得でどの免除に該当するのかが決まります。

 「自分がどの免除に該当しそうなのかあらかじめ知りたい」と思われる方も多いでしょう。しかし、実際には「どのくらいの収入でどの免除に該当するのか、事前に判断することは難しいため、まずは手続きをしていただき、後日郵送で届く書類で結果を見てください」と言われてしまいます。どの免除に該当するのかは「所得」で判断されます。所得の計算方法は「収入」の種類によって違ってくるので、事前に結果がわからないのは仕方のないことなのかもしれません。

 免除の相談や手続きは、年金事務所または住所地の市区町村役場の国民年金課でできます。事前に電話で必要なものを確認しておくとよいでしょう。

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転職したり、フリーランスだったり、離婚を経験した人は知らないと損する、年金の話
浜田裕也 監修



【監修】浜田裕也
学習院大学理学部数学科卒。大学卒業後、塾講師(対象の生徒は小・中学生。数学と理科を担当)を経てファイナンシャルプランナー(CFP)へ転身。ファイナンシャルプランナーとして活動を続ける中、社会保障、特に年金制度に興味を持ち始め社会保険労務士の資格も取得。その後、社会保険労務士会の業務委託で年金事務所にて年金に関する相談も受けるようになり、相談件数は年間1,000件を超える。複雑な年金制度の解説や具体的な申請手続きの進め方のアドバイスには定評がある。老後の生活設計や将来の年金額のシミュレーションなどの記事が「週刊東洋経済」や「プレジデン」トなどに掲載されるほか、監修として『日本でいちばん簡単な年金の本』(洋泉社 第3章監修)、『転職したり、フリーランスだったり、離婚を経験した人は知らないと損する、年金の話』(SB新書)などがある。