カルチャー
2014年10月1日
いますぐ実践!「自重トレ」で自らの筋肉と対話
[連載] 50歳を過ぎても身体が10歳若返る筋トレ【5】
文・増田晶文
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 前回、ニッポン放送の『高嶋ひでたけのあさラジ!』に呼ばれ、『50歳を過ぎても身体が10歳若返る筋トレ』について話してきたことの補足を述べさせていただきました。実はまだ、中高年の筋トレ実践編ともいうべき内容について語りそびれておりましたので、今回そのあたりを家でもできる自重トレの代表格、プッシュアップとスクワットのポイントとともに解説していきます。

目標数値を掲げてガンバリすぎるのはダメ


 「力の衰えを自覚する」「体型の悪化にウンザリした」――これらは筋トレをスタートさせる契機となります。ただ、くれぐれも結果を急がないでください。

 中高年からの筋トレは、老いに対する備えとして、じっくり続けること。

 比較するのは、他人や若い人ではなく、あくまでも「現在の自分自身」。学生時代にスポーツで活躍してらっしゃった方は、特に注意が必要です。若き栄光の日々に基準をおいてはいけません。猫背のうえ覇気がなくて、運動するのがおっくうなため、お腹も出ているメタボ体型の「今の自分」を少しずつ筋トレで改善していくということに主眼をおいてください。

 筋トレの本にはよく「3カ月で効果」と書いていますが、中高年の場合、半年はかかると覚悟してください。

 いまから筋トレを始めると春先には、きっと身体が若返っているはずです。

 半年、1年、2年......できれば一生筋トレを続けていただきたいものです。

 そのためには毎日トレしたり、体重××キロ、体脂肪率△%と目標数値を掲げてガンバリすぎるのは得策ではありません。

 生活習慣の中に筋トレのための時間を確保し、一生続ける――これを肝に銘じてください。

実年齢からマイナス5歳~10歳の筋力を維持する


 筋トレは週に2回から3回で充分。このペースで続けていけば50歳で45歳の、60歳で55歳の、75歳だと60代半ばの筋力を保っていくことができるんです。

 1回のトレーニングで全身を鍛えて週3回でもいいし、身体の前面(胸、腕、腹筋、)、背面(背中)、脚というように3つのパートに分けてもOK。

 基本は無理せずに。ただし、仮に10回できるのならきちんと10回やりこなすこと。

 10回できるくせに8回で「もういいや」はダメです。これでは効果はあがりません。

 なれてきたら、「ちょっときつい」回数や重量を目標にします。

筋肉との対話こそが醍醐味


 大切なのは、筋肉を意識して、筋肉と「対話」すること。使う筋肉を意識するほど効果は大きく変わってきます。

 漫然とダンベルを上下させるのと、使う筋肉に意識を注ぐのではまったく効果が異なります。これは、ためしに力こぶの部分、上腕二頭筋に力をいれるという動作をおこなうことでもわかります。

 うまく筋肉を意識できれば、比較的軽い重量や負荷でも効果をあげることができます。

 筋トレを続けていくうち、筋肉のささやき声も聞こえるようになります。

 悟ったようなことをいって恐縮ですが、中高年になって私も改めて筋トレが内観というか、自分自身との語り合うのにとても効果的だと実感しています。

 「ちょっときつい」の感覚に関しても中高年ならうまく按配できるはず。50年近くも自分と付き合っていたら、若かった頃よりよほど己のことがわかっているでしょう。つい無理をしてしまうタイプもいれば、ガンバリきれない性格の人も......。筋トレでは、各自の特徴をうまく活用してください。

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50歳を過ぎても身体が10歳若返る筋トレ
こうすれば愉しく無理せずに続けられる
増田晶文 著



【著者】増田 晶文(ますだ まさふみ)
作家。1960年生まれ。26歳から本格的にウエイトトレーニングを開始し現在進行形、雑誌「Tarzan」でも紹介される。身長170センチ、体重60キロ、体脂肪率5.9%(2014年2月22日時点)。「Number」などの雑誌でトップアスリートやトレーニングコーチたち、さらにサッカーワールドカップ、オリンピックなど国際大会を数多く取材。ボディビルダーたちを主人公にした著書『果てなき渇望』で文藝春秋Numberスポーツノンフィクション新人賞を獲得。同作品は2000年に書籍化され、「文藝春秋が選ぶスポーツノンフィクション単行本部門第1位」にも輝いた。著書に、『ジョーの夢 新島襄と徳富蘇峰、そして八重』(講談社)、『うまい日本酒はどこにある』(草思社文庫)などがある。近著は『50歳を過ぎても身体が10歳若返る筋トレ』(SB新書)。