カルチャー
2015年1月21日
保険の「万が一」って、どのぐらいの割合?
[連載] 保険ぎらいは本当は正しい【3】
監修・横川由理 文・長尾義弘
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「万が一」はやはり「万が一」!?


表1●年代別死亡者数と死亡率 ※クリックすると拡大

 「若いうちに保険に入っておけば、安くてすむよ」とよく言われますが、確かにそれ事実で、トータルの保険料は安くなります。

 しかし考えてみれば、死亡率が低く、保険会社も保険金を払う可能性が低い若い世代の保険料が安いのは、当然のことです。
 実は、本来はもっと安くできるのですが、高齢になったときの分を考慮して平均化しているようです。

 もちろん、若くても、誰であっても「万が一」の可能性は否定できません。
 しかし、表1を見てください。年代によってその可能性が大きく変わってくることがわかるでしょう。

 25~29歳の男性は、1年間で亡くなった方は2391人で、約0.06%ほどでしかありません。

表2●年代別の死因 ※クリックすると拡大

 また、表2を見ると、そのうち約半数は自殺で、次に多いのが不慮の事故です。本当に万に1つの確率ですね。

 一方、高齢者の場合は死亡率がグンと上がってきます。80~84歳の男性は約7%、85~89歳の男性は約12%です。

 保険は長期にわたって保険料を支払う商品です。
 インフレリスクもありますし、この先、自分の人生がどうなって行くのか、自分自身にも予想できません。順調に行けばいいのですが、今の時代、失業、転職などで収入が減ることも珍しくありません。

 必要以上の保険はやめて、自分の生活にあった保険にし、あとは貯蓄に回したほうが、お金を有効活用できるでしょう。

手術・入院の大半は、健康保険と貯蓄で基本的に十分


 長年にわたって医療保険に入っているけれど、一度も入院などしたことがないという方も多いでしょう。
 一方で、大きな病気をしたので、医療保険に入っておいてよかったという方もいます。

 もし手術・入院などになった場合でも、公的健康保険でかなりの部分がカバーできます。
 ということは、そもそも医療保険は必要なのでしょうか。

 たとえば、虫垂炎で入院しても、手術給付金、入院給付金を合わせて8万円ぐらいが出るだけです。これでは、支払った保険料のほうが高くなる可能性は高いでしょう。

 では、もっと重篤な病気の場合はどうなるかと言えば、手術給付金は期待できますが、入院給付金の支払いが60日型だと入院給付は60日で終わってしまいます。かといって、180日型にすれば、その分保険料がかなり高くなります。

 ほとんどの場合、ある程度の貯蓄があれば対応できるのではないでしょうか。
 前に言ったように「リスクの保有」です。また、重い病気になった場合は、仕事を辞めざるを得なくなり、収入もなくなることがありますが、会社員や公務員の場合は傷病手当金があります。

 それでもやっぱり心配だという方には、必要最低限の保障に絞った安い医療保険が発売されていますので、そういったものを検討すればいいでしょう。

 また、長期の入院が心配で備えたい方には、長期入院だけに対応した保険もあります。  さらに、差額ベッド代など、その他の費用に対応した保険もあります。この保険は実際にかかった費用に対しての保障をしてくれる合理的な保険です。

 さまざまな医療保険が発売されて、選択肢も広がってきました。ライフスタイルに合わせて考えてみてください。

(第3回・了)
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保険ぎらいは本当は正しい
横川 由理 監修/長尾 義弘 著



【監修者】横川由理(よこかわゆり)
FPエージェンシー代表、CFP、証券アナリスト、MBA(会計&ファイナンス)。お金の知識を広めることをライフワークとして、ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得講座、マネー講座、執筆などを中心に幅広く活動している。著書に『50歳から役に立つ「お金のマル得術」』『老後にいくら必要か?』『アベノミクスで変わる「暮らしのお金」の○と×』(以上、宝島社)など多数。監修には「別冊宝島」の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』などがある。
http://fp-agency.com/

【著者】長尾義弘(ながおよしひろ)
ファイナンシャルプランナー、AFP。お金のしくみ、保険のカラクリについての得する情報を発信している。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。いくつかの出版社の編集部を経て、1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生みだす。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)、『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』(河出書房新社)などがある。
http://neo.my.coocan.jp/