スキルアップ
2015年1月14日
2015年のドル円相場を占う――2017年まで円安傾向、165円まで円安は進む
[連載] 黄金の扉を開く賢者の海外FX投資術【2】
文・榊原卓丸
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日米の金利差――日本の金利は上がらない


 日本国債は日銀が量的緩和で買い続けていることから債券価格は高どまりです(つまり利回りは低い)。
 日本国債は国内消化が大部分を占めているために海外勢の投げ売りで崩れる可能性はほぼありません。
 しかも市場から無尽蔵に買ってくれる日銀がいるのですから、買い手のほうが巨大なためパニック売りも出ないことから暴落の可能性はほぼありません。

 これまでも海外のヘッジファンドなどが日本国債の売りを仕掛けてきては常に失敗しています。
 つまり日本の金利は上がらないといえます。

 一方、米国は各経済指標ともムラはありますが、よくなる方向に進んでいます。
 消費者物価指数は原油価格の下落で一時的に下落傾向になるかもしれませんが、原油下落は減税効果と同様の効果があるため可処分所得の増加による消費者心理の改善、購買力の増加、雇用の改善につながります。
 このためトータルで考えると利上げのタイミングを早めるものと考えられます。

 日本の10年債金利は過去最低を更新しています。
 日経新聞が『日生、一時払い終身保険など販売停止も 低金利で運用難(2014年12月27日)付』と報じましたが、これは、日本国債での運用が相当厳しいことを表しています。

 ここで米国金利が上昇し、日米金利差が広がれば米国債への資金シフトが進むのは自然の流れです。
 保険会社による海外債券、特に安全性の高い米国債へのシフトは進みやすいはずです。

個人金融資産の海外へ移転――50兆円弱の資金移動で相場へのインパクト絶大


 2014年9月末時点の日本の家計の金融資産の合計は1,654兆円です。
 この中で外貨資産(外貨預金、外貨建投資信託、外貨建対外証券投資)は43.1兆円、率にして2.6%しかありません。
 日本は日銀金融緩和での低金利下にあり預貯金で保有しておいてもほとんど金利はつきません。この状況で消費者物価だけが上昇すると実質目減りすることになります。

 私たちの年金を運用するGPIFが40%を外貨建資産で運用していく状況で家計が2.6%しか外貨資産を保有してないのは不自然でしょう。
 2017年までのタイミングで外貨への資金シフトが起こる可能性は高いと考えます。ここから家計の外貨資産の3%程度の増加があってもおかしくないでしょう。

 もしこれが現実になれば金額ベースでは50兆円弱の資金移動となり相場へのインパクトは絶大です。

(1)GPIFの運用比率変更
(2)日本の量的緩和
(3)日米金利差
(4)個人金融資産の海外へ移転

 これらの要因を考えると、2017年まで円安傾向が続き、165円程度は想定できると考えています。
 ここまでの話で、今がいかにFXを始めるによいタイミングか、おわかりいただけたのではないでしょうか。

 では、どのように始めるか――。さらに有利に取引を進めるための「海外FX」(海外のFX業者を利用したFX取引)を次回から紹介していきます。

 なお、余談ですが、筆者は2014年に、世界的に有名なリアルマネーによるトレードコンテスト2014 World Cup Championship of Forex Trading(米国Robbins Trading Company主催) にて準優勝を達成しました。
http://www.worldcupchampionships.com/live-stats-3

《海外のFX業者については 次回へ続く》

※本連載は情報提供を目的としており、投資などの最終判断はご自身でなさるようお願いいたします。本連載の情報により生じたいかなる損害については、情報提供元および執筆者は一切の責任を負いかねます。





黄金の扉を開く 賢者の海外FX投資術
榊原卓丸 著



【著者】榊原卓丸(さかきばらたくまる)
2014年に世界的に有名なリアルマネーによるトレードコンテスト2014 World Cup Championship of Forex Trading(米国Robbins Trading Company主催) にて準優勝を達成。
http://www.worldcupchampionships.com/live-stats-3

1977年生まれ。大分県出身。関西学院大学卒業後、新光証券(現みずほ証券)を経て、株式会社ディーネット代表取締役として著名投資家の資産運用業務を担当。ファンド関係者など様々な業界人脈を築く。同社代表取締役を辞任後、三京証券株式会社にて日経225先物、日本株のディーリングを行う。現在はTrade Tools株式会社代表取締役。FX、日経225先物、株式等で国内・海外の大口投資家へ助言を行うほか、自動売買システムの企画・開発を行う。著書に、『卓丸の1日5分から始める日経225mini』『ほったらかしでも月100万儲かるFX自動売買』(かんき出版)、『株で儲けるためのNISA徹底活用術』(自由国民社)、『黄金の扉を開く 賢者の海外FX投資術』(SBクリエイティブ)がある。
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