カルチャー
2015年2月27日
「仮眠」は目的によって長さを変えるのが正解
[連載] 脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠【5】
文・坪田 聡
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知っておきたい「仮眠」の分類


 この連載では日常生活に仮眠を取り入れることをお勧めしていますが、仮眠もその長さによって、いくつかに分かれています。
 仮眠の長さや時間帯、場所によって効果が異なるからです。

(1)ナノ・ナップ(瞬間仮眠)......一瞬~数秒(眠くないときにも)
 睡眠不足がたまりすぎて、脳の神経細胞が壊れてしまう限界まできたときに、「マイクロ・スリープ」という現象が起きます。
 起きているつもりでも一瞬ガクッときたり、目を開けているのに呼びかけに反応しなかったりしたとき、マイクロ・スリープが起きています。
 意志に反してでも脳の働きを短時間止めることで、脳細胞を守っているのです。これを意識的に取るのが「ナノ・ナップ(瞬間仮眠)」です。
 一般的には1分以内の仮眠を意味する言葉ですが、数秒でも眠れば頭が少しスッキリするので、本書では数秒以内の仮眠を「ナノ・ナップ」と呼びます。
 まず、それまでと同じ姿勢で、目を閉じて一瞬から数秒間仮眠を取ります。後は目が覚めたら伸びをするなど、できるだけ体を動かして眠気を払えばいいだけです。
 企画を考えているときやクリエイティブな仕事をしているときに、積極的に取り入れましょう。

(2)マイクロ・ナップ......1分(~数分)
 分単位の仮眠を「マイクロ・ナップ」と呼びます。
 眠くなってからマイクロ・ナップを取ると、1分では目覚められないことがあるので、眠気に襲われる前に取るのがお勧めです。
 ミスが増えたり考えがまとまらなくなったりしたら、その場で目をつぶりましょう。ナノ・ナップより時間が長い分、さらに効果的です。
 電車での移動中や会議の前、トイレに座ったときなどに行うのがお勧めです。

(3)ミニ・ナップ......10分
 10分以上の仮眠を取ると、仮眠前に比べて脳の働きがよくなることが、客観的な実験データで証明されています。
 通勤や退社後、移動中の電車のなかで、あるいは午前・午後の休憩時間に、積極的にミニ・ナップを取りましょう。
 アメリカ大統領だったJ・F・ケネディも、このミニ・ナップを1日に何回か取るように習慣づけていたそうです。
 眠る前には安定した姿勢を取り、ネクタイなど体を締めつけているものをゆるめておくと、さらに効果的です。

(4)パワー・ナップ......20分
 2014年に厚生労働省が発表した「睡眠12箇条」でも、午後の作業効率を改善するために、短時間の仮眠を勧めています。
 短時間の仮眠は、あまり眠りが深くならないうちに目覚めたほうがよいので、高齢者では30分、60歳以下の人なら20分が最適です。
 カフェインを摂ってから、机に突っ伏したり壁にもたれかかったりして仮眠すると、スッキリ目覚められます。仮眠用枕などのグッズを使うこともお勧めです。

(5)ホリデー・ナップ......90分
 若い人で20分以上、高齢者でも30分以上眠ると、脳が深い眠りに入ってしまうため、時間どおりに起きられなかったり、目覚めてからも眠気が続いたりします。そのため、平日の仮眠は20分(高齢者では30分)以内にすることが大切です。
 しかし、それだけでは平日の睡眠不足が解消されないときは、休日に90分の仮眠(ホリデー・ナップ)を取ってみましょう。
 90分というのは、睡眠のリズムでちょうど目覚めやすい時間です。ただし、遅い時間帯に仮眠すると、夜の睡眠に悪影響が出るので、午後3時までには起きてください。

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脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠
坪田 聡 著



【著者】坪田聡(つぼた さとる)
1963年福井県生まれ。医学博士。雨晴クリニック副院長。日本睡眠学会、日本コーチ協会、日本医師会、ヘルスケア・コーチング研究会に所属。過酷なストレスに晒される現代、「睡眠に関する問題をスムーズに解決し、快眠生活を送る」ための指導を行なう睡眠コーチ。医師とビジネス・コーチの顔を持ち、健康的な睡眠に役立つ情報を提供し、睡眠の質を向上するための指導や普及に努める。2006年に生涯学習開発財団認定コーチ、2007年からAll About 睡眠・快眠ガイドを担当。「ブリーズライト」のCMに出演。著書に『脳も身体も冴えわたる1分仮眠法』(すばる舎)など多数。近著は『脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠』。