カルチャー
2015年3月9日
仮眠のゴールデンタイムは正午から午後3時まで――パワー・ナップのすすめ
[連載] 脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠【9】
文・坪田 聡
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眠くなくても日課にしたい「パワー・ナップ」


 仮眠の基本は、正午から午後3時までのあいだに、20分の仮眠(パワー・ナップ)を取ることです。

 ただし、いきなりパワー・ナップを取るのが難しい方もいると思います。特に、睡眠不足が積み重なっていると、時間どおりに目覚められません。

 まずは数秒や1分の仮眠、そしてそれが習慣化すれば10分仮眠、そして20分の仮眠へと挑戦しましょう。

 20分の仮眠は、なぜ「午後3時まで」に取らないといけないのでしょうか?

 午後の仮眠は、その日の夜の睡眠の先取りになるからです。ですから、遅い時間に仮眠を取ると、夜の睡眠に悪影響が出てしまうのです。
 そのため20分の昼寝は、夕方より前に終わっておく必要があります。

入眠後20分以内に起きると覚醒後のパフォーマンスは一番高くなる ※クリックすると拡大

 「20分」という長さにも理由があります。
 睡眠には決まったリズムがあるからです。目を閉じてしばらくすると、ウトウトし始めます。この浅い睡眠がだんだん深くなり、スヤスヤ眠ることができるのです。
 さらに睡眠が深くなってグッスリ眠ると、今度は次第に睡眠の深さが浅くなり始めます。

 深い睡眠のときに目覚めようとしても、なかなか起きられません。さらに、目覚めた後に頭が元の状態に戻るまでに、時間がかかってしまいます。
 できれば浅い睡眠のうちに、仮眠から目覚めたいところです。

 一般に、高齢者に比べて若い人ほど、早く眠りが深くなります。深い睡眠に入るまでの時間は、10~40歳代が15~20分、50歳代以降は30分ほどかかります。
 逆に言うと、若い人は20分以内、高齢者では30分以内の仮眠なら、浅い睡眠のときに起きられるということです。

 これらのことから、午後3時までにする20分の仮眠が大切なのです。

 ビジネスパーソンは昼休みが終われば、20分の仮眠どころではなくなります。ですから、昼休みの前半で昼食を摂り、後半に20分の仮眠をするのが現実的です。

 仮眠のときに、ソファや長椅子に寝そべって眠るのはいけません。横になるとすぐに深い眠りに入ってしまうので、20分では起きられなくなってしまいます。

 椅子にもたれかかるか、机に突っ伏して眠りましょう。椅子にもたれかかって眠るときは、首を痛めないように、コの字型の枕などを使ってください。
 寝顔を他人に見られるのが嫌な人はアイマスクを付けるといいでしょう。アイマスクをしていると不思議と他人は話しかけてこなくなります。

 机に突っ伏して眠るときも、顔に跡がつかないように昼寝用の枕を使ったり、よだれが垂れても大丈夫なように、ハンカチを口に当てたりしましょう。
 睡眠不足が続いていれば、間違いなく20分以上眠ってしまいます。眠る前に必ず、スマートフォンなどのアラームをセットしておきましょう。

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脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠
坪田 聡 著



【著者】坪田聡(つぼた さとる)
1963年福井県生まれ。医学博士。雨晴クリニック副院長。日本睡眠学会、日本コーチ協会、日本医師会、ヘルスケア・コーチング研究会に所属。過酷なストレスに晒される現代、「睡眠に関する問題をスムーズに解決し、快眠生活を送る」ための指導を行なう睡眠コーチ。医師とビジネス・コーチの顔を持ち、健康的な睡眠に役立つ情報を提供し、睡眠の質を向上するための指導や普及に努める。2006年に生涯学習開発財団認定コーチ、2007年からAll About 睡眠・快眠ガイドを担当。「ブリーズライト」のCMに出演。著書に『脳も身体も冴えわたる1分仮眠法』(すばる舎)など多数。近著は『脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠』。