カルチャー
2015年3月9日
仮眠のゴールデンタイムは正午から午後3時まで――パワー・ナップのすすめ
[連載] 脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠【9】
文・坪田 聡
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パワー・ナップを取る方法


忙しいときや眠たくないときにも「パワー・ナップ」でフルチャージ! ※クリックすると拡大

 では、場所や状況別にパワー・ナップを取る方法を簡単にご紹介しましょう(いずれも盗難などの犯罪には十分注意してください)。

(1)一人ランチ
 睡眠不足の解消という点から言えば、社内で仮眠を取りづらい人は、一人で昼食を食べに行くことをお勧めします。
 外でランチを食べてお茶やコーヒーでカフェインを摂り、20分の仮眠を取る――。これが仮眠生活のゴールデン・スタンダードです。
 (これは「コーヒー・ナップ」とも言いますが、次回の連載で詳しく説明します)
 目覚めたら、なるべく太陽の光を浴びながら、歩いて会社まで帰りましょう。明るい光には、眠気を早く減らしてくれる効果があります。

(2)移動中の電車
 日本の電車内は、安全で座り心地もよく、適度に揺れるので眠気を誘います。
 ただし、電車はときに大きく揺れることがあるので、安定した場所で安定した姿勢を取ることが大切です。座席に深く座って壁や手すりで体を支え、腕を組むと上半身が安定します。
 男性の場合は、両脚を少しだけ開いて足の裏を床にピッタリくっつけます。女性の場合は、脚が開かないように気をつけましょう。

(3)車のなか
 プロのドライバーの方や車で営業している人は、車のなかで仮眠を取るのが一番簡単でしょう。駐車場に止めてドアロックをかければ安全ですし、エアコンをかければ1年を通して気持ちよく眠れます。
 シートのリクライニングは、完全に倒してしまうと横になって眠るのと変わらず、深く眠りすぎてしまいます。直角から30度ほど倒すだけにするのがよいでしょう。

(4)公園などの屋外
 昔から「春眠暁を覚えず」と言われています。寒い冬が終わって暖かい春になると、公園のベンチで居眠りしている人を見かけるようになります。
 ただし、安全面の問題があります。人通りの少ない場所のほうが静かで落ち着いて仮眠できますが、盗難などの犯罪に巻き込まれる心配があります。多少の物音は我慢して、ある程度、人通りのある場所で仮眠することをお勧めします。

(5)トイレで仮眠
 オフィスで騒がしかったり、人の目がどうしても気になったりするなら、トイレで仮眠を取るという選択肢もあります。
 洋式トイレの場合は、普通の座り方をして後ろの壁や水洗タンクにもたれかかったり、逆向きに座って便器の水洗タンクに頭を載せたりして、眠るといいでしょう。
 ただし、トイレは寒くなりやすいので、冬の温度調整には気をつけてください。

(6)ホテルのデイユースや仮眠スポット
 昼間に部屋を時間貸ししてくれるホテルのデイユースや、「お昼寝カフェ」と呼ばれる仮眠スペースを提供しているお店などを利用するという方法もあります。

(第9回・了)





脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠
坪田 聡 著



【著者】坪田聡(つぼた さとる)
1963年福井県生まれ。医学博士。雨晴クリニック副院長。日本睡眠学会、日本コーチ協会、日本医師会、ヘルスケア・コーチング研究会に所属。過酷なストレスに晒される現代、「睡眠に関する問題をスムーズに解決し、快眠生活を送る」ための指導を行なう睡眠コーチ。医師とビジネス・コーチの顔を持ち、健康的な睡眠に役立つ情報を提供し、睡眠の質を向上するための指導や普及に努める。2006年に生涯学習開発財団認定コーチ、2007年からAll About 睡眠・快眠ガイドを担当。「ブリーズライト」のCMに出演。著書に『脳も身体も冴えわたる1分仮眠法』(すばる舎)など多数。近著は『脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠』。
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