スキルアップ
2015年3月31日
決算書は真っ先に「下」を読め!
[連載] 決算書は「下」から読む、が正解!【1】
文・前川修満
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格差が生じる時代は、決算書を読むスキルが大切!


 現代社会は、企業社会です。
 企業社会を生き抜いてゆくうえで、決算書を読んで会社の経営状態を知ることはきわめて重要なスキルです。

 たとえば、1964年の東京オリンピックの時代には、日本経済全が好景気のなかにありました。が、今日、2020年のオリンピックを前にしながら、企業経営で苦しんでいる上場会社はたくさんあります。
 なかには、入社して数年たったところで、大リストラを行う会社も少なくありません。

 また、近年、アベノミクスで株価が上昇しましたが、それらの会社の中には、会社の実力以上に株価が上がってしまった会社もあります。
 この先、株式投資をする場合にも、会社の経営状態を吟味しながら、購入する銘柄の選別を行わないといけません。

 このように、現代のような格差の時代においては、たとえばGDPなどを見て自分たちの経済状態の良し悪しを推し測るのはよくありません。

 それ以上に大切なことは、自分が関わっている会社、もしくは、自分がこれから関わろうとする会社の経営状態のほうがはるかに大切です。

 ここでいう「会社の経営状態」というのは、決算書に表示されます。
 ですから、決算書のデータを、あなたの日常生活、投資と財産形成、果ては健やかな人生行路を歩んでゆくために読むことはきわめて重要なことなのです。

決算書は全部読む必要はない!――決算書にまつわる大きな誤解(その1)


 筆者は、長年にわたって、決算書の読み方に関するセミナーの講師を務めてきました。
 そのときに、痛感したことがあります。

 それは、多くの方々が、「決算書を読むには、上から下まで丹念に読まないといけない」と思っていることです。
 これは、たいへんな誤解です。

 皆さんは、初めて会った人を見るとき、「髪の毛の先、髪の毛、額の生え際、おでこのしわ、眉毛、まぶた...」という具合に、上から順番に丹念に見るでしょうか?
 たぶん、そんな人はいないと思います。

 人間を見るとき、真っ先に見るのは相手の目です。そして、「男性か女性か」「白人か、黄色人種か、黒人か」「大柄か、小柄か」などを判断します。
 人を見るときには、そのようなパッと見が行われます。

 決算書の読み方もこれと同じです。
 ですから、膨大なデータを全部隅から隅まで読まないといけないという気持ちを捨てることが大事です。

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決算書は「下」から読む、が正解!
前川修満 著



【著者】前川修満(まえかわおさみつ)
1960年金沢市生まれ。公認会計士・税理士。日本証券アナリスト協会検定委員。同志社大学卒。澁谷工業、KPMG港監査法人(現、あずさ監査法人)を経て、フリーに。2006年にアスト税理士法人を設立。代表社員に就任し、現在にいたる。日本税務会計学会会員。著書に『決算書はここだけ読め!』『危ない会社は一発でわかる』(以上、講談社)などがある。近著は『決算書は「下」から読む、が正解!』(SBクリエイティブ)。