スキルアップ
2015年4月20日
すぐに新しい職場になじむ人が心がけている「会話」のコツ
[連載] 雑談術は、会話の達人のマネをするだけで上達する!【1】
文・松橋良紀
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「一番困るのが、無口でしゃべらない相手ですね」
「うちの会社は、無口な人が多いから、しゃべってくれないんですよ。だから、一方的に話すしかないんです」

 新しい職場に移った時によく相談を受ける悩みがこれです。
 無口な人と二人きりになるとコミュニケーションレベルの高くない人はどうしていいか分からなくなってしまいます。
 しかし、無口な相手が悪い、というのは単なる言いわけです。
 それは聞き方が下手。
 かくいう私も、昔は「相手が無口で会話が盛り上がらないのはしょうがない」と相手のせいにしていました。でもそれは、自分の質問が下手なだけだったのです。

 雑談を上達させる基本は「相手の話を聞くこと」です。

 雑談は、「何を話すか」で決まるわけではありません。雑談は、「何を聞くか」で決まります。口ベタの人は、何を話すかよりも、何を質問するかを磨きましょう。これが雑談上達の最短距離になります。

沈黙する人の3つの傾向


「雑談が苦手です」とおっしゃる方に理由を聞くと、ほとんどの方が「会話がとぎれると、気まずいから」と返答します。そもそも沈黙が気まずい理由とはなんでしょう?

「相手の気に障るような、まずいことを言ってしまったのかもしれない」
「相手は、これ以上話したくないのかな」

 と思ってしまうからなのでしょう。
 特に、困るのが、黙ってしまう人。口が重い人です。沈黙に強い人が相手だと、沈黙に弱い人は、それだけでパニックになり、一人でべらべらしゃべってしまうことも多いでしょう。そんなとき、沈黙には3つの理由があることを知っておくと、落ち着いて対応ができるようになります。

(1)自分の考えをまとめるために、少し待ってほしいと望んでいる
 口数が少なくて沈黙する人は、とても慎重な人が多いです。しっかりと考えをまとめたいので、黙り込んで考えます。沈黙を破るのは、相手が考えているのを邪魔するようなものです。慎重な人は、言葉を選びます。一番適切な言葉を探して、どのように話せば誤解が生まれないか考えているのです。
 誰も傷つかないような言葉を探していると、時間がかかるので、黙らざるをえないことがあるのです。

(2)決定的な話、大事な話をしようとしている
 大事な話は、軽く話せないものです。
 あなたも、大事な話をしようとするときには、躊躇してしまって、沈黙をつくり出したことがあるのではないでしょうか?重い決断を下して、それを伝えようというときに、人は沈黙するものです。

(3)巻き込まれるのを怖れている
 商談などで、相手のペースに乗りたくないときには、とにかくしゃべらないのが得策だと思っている人がいます。こういうタイプは、あまりうなずかないで、返事もしてくれないなど、リアクションしない人が多い。勧められると断れないからと、強固なブロックを用意して、自分を守っています。警戒心が強い人は、同時に押しに弱いタイプも多いのです。

 こうしたときの対応方法は、まずは相手に波長を合わせることです。

 沈黙の状態をよく観察して、波長を合わせます。呼吸のペーシングが基本になります。そして、効果的な質問をして、相手の口を開かせることです。質問されても答えない強敵はまれです。質問技術を磨くことで、相手にしゃべらせることができたら、もう怖いものなしですね。

 では、どんな質問をすればいいのでしょうか。






会話の達人の話し方を真似したら人見知りの僕でも楽しく雑談できました
松橋良紀 著



松橋良紀
コミュニケーション総合研究所 代表理事。NLPなどの心理学をベースにした「コミュニケーション心理」の専門家。26才で、訪問営業をスタートするが、鳴かず飛ばずの3年間を過ごす。あまりに売れないために、借金まみれになり30才でクビ寸前になる。しかし、会話上手の人の話し方を真似てみることで、会話が途切れなくなったり、好かれたりするなどすぐに効果が表れ出す。3年間売れなかったダメダメセールスマンが、たった一ヶ月で全国トップセールスに!給料が20万円から100万円になり、人生が一変! その後、30才でカウンセラー養成学校に通い、NLPや催眠療法など心理学を学ぶことで、うまくいった「根拠」も習得。社内研修講師に任命されて、全営業所の全社員の営業研修を担当すると、1年で売上を3億円もアップさせる。36才から、ナポレオン・ヒル財団へ転職し、「目標設定講座」などの自己啓発講師を任される。営業16年間で、約1万件を超える対面営業と、多くの研修を経験する。2007年に講師業をメインに、営業コンサルティング会社を設立。セミナーの参加者が、すぐに成果が出るという口コミが広がり、出版の機会を得る。
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