スキルアップ
2015年4月20日
すぐに新しい職場になじむ人が心がけている「会話」のコツ
[連載] 雑談術は、会話の達人のマネをするだけで上達する!【1】
文・松橋良紀
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盛り上がる質問 盛り上がらない質問


 会話が盛り上がらないときは、相手に余計なことをしゃべらせず、「YES」か「NO」のどちらかを言わせている可能性が高いです。あるいは、相手がひと言だけしか答えられないような、限定的な質問をしているのです。

 こちらのペースで誘導していく質問を、「クローズド・クエスチョン」といいます。

A:「お住いはどちらですか?」
B:「渋谷区です」
A:「お仕事は何をされていますか?」
B:「コミュニケーション講師をしています」
A:「趣味はなんですか?」
B:「ギターです」
A:「音楽が好きなんですね」
B:「はい、そうです......(沈黙)」

 どうでしょう?
 まったく盛り上がりませんね。
 それは質問の仕方が悪いからです。

 勝手に話し始めてくれるような相手なら、質問が下手でもまだなんとか会話が続くでしょう。でも、無口な相手の場合だと、盛り上がることなく「シーン」とした沈黙が流れていきます。このようになってしまうのは、クローズド・クエスチョンをしているからです。

 こちらの思い込みを確認するだけ。または、こちらが期待する言葉を言わせるだけの質問になっているのです。だから、会話が盛り上がらなくなってしまうのです。

 ただ、たまに極度に口が重くて、ゆっくり考える人がいます。そのような人に対して、最初から深く考えなければならない質問をすると、相手が黙ってしまう場合があります。

 そんなときこそ、最初は、クローズド・クエスチョンから始めます。

A:「最近お天気がいいですけど、休みはどこかに出かけたりしないですか?」
B:「いえ、家にいることが多いです」
A:「そうなんですね。休みの日は映画とか見たりするんですか?」
B:「いえ、映画よりゲームをやってます」
A:「ゲームですか。何時間やるんですか?」
B:「そうですねえ、10時間やることもありますよ」
A:「10時間も?疲れませんか?」
B:「いや、楽しくて時間を忘れちゃいますよ」

 こんなふうに、口が重い人への最初の言葉がけは、クローズド・クエスチョンから始めます。その後に、深く考えなければ答えられない質問に移行するのがいいでしょう。

(了)





会話の達人の話し方を真似したら人見知りの僕でも楽しく雑談できました
松橋良紀 著



松橋良紀
コミュニケーション総合研究所 代表理事。NLPなどの心理学をベースにした「コミュニケーション心理」の専門家。26才で、訪問営業をスタートするが、鳴かず飛ばずの3年間を過ごす。あまりに売れないために、借金まみれになり30才でクビ寸前になる。しかし、会話上手の人の話し方を真似てみることで、会話が途切れなくなったり、好かれたりするなどすぐに効果が表れ出す。3年間売れなかったダメダメセールスマンが、たった一ヶ月で全国トップセールスに!給料が20万円から100万円になり、人生が一変! その後、30才でカウンセラー養成学校に通い、NLPや催眠療法など心理学を学ぶことで、うまくいった「根拠」も習得。社内研修講師に任命されて、全営業所の全社員の営業研修を担当すると、1年で売上を3億円もアップさせる。36才から、ナポレオン・ヒル財団へ転職し、「目標設定講座」などの自己啓発講師を任される。営業16年間で、約1万件を超える対面営業と、多くの研修を経験する。2007年に講師業をメインに、営業コンサルティング会社を設立。セミナーの参加者が、すぐに成果が出るという口コミが広がり、出版の機会を得る。
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