カルチャー
2015年5月7日
連休明けの憂鬱が防げる「体内時計」の整え方
[連載] 病気を防ぐ「腸」の時間割【7】
文・藤田紘一郎
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休み明けはなんだか調子が出ない人は要注意


 思い思いに過ごした大型連休なんかが終わると、憂鬱な気持ちになったり、倦怠感などさまざまな不調が起きてしまうことがあります。

 私はこの歳になっても、休み明けの月曜日の朝がもっとも苦手です。こんなことを思っているのは、私だけではないでしょう。

 体内時計は、曜日のリズムも刻んでいます。7日間で1サイクルするリズムです。
 月曜日の朝に憂鬱さを感じるのは、週末の休日の過ごし方に一つの理由があります。

 平日の5日間の疲れを癒やし、次週に向けて英気を養おうと、朝寝坊をしたり、長時間の昼寝をしたり、家でゴロゴロ過ごしたりなど、反活動的な生活をしていると、体内時計に狂いが生じます。

 わずか1日、ダラダラした生活をしただけで、体内時計は簡単に乱れてしまうのです。その乱れたリズムを、月曜日の朝に正そうとする際、心身が悲鳴を上げ、「憂鬱」という感情になって現れるのです。

 月曜日の憂鬱が重くなると「ブルーマンデー症候群」となります。これをうつ病の前段階だという専門家もいます。
 日曜日の夕方、国民的アニメ「サザエさん」の歌を聞くと憂鬱さが重くなる人も多く、「サザエさん症候群」という名称も生まれました。

 また、月曜日は自殺者がもっとも多くなる曜日でもあります。厚生労働省の調査では、2003年の自殺者3万2000人のうち、自殺者がいちばん多かったのは月曜日で、少なかったのは土曜日。両曜日を比べると、男性で1.5倍、女性で1.3倍の差があったとのことです。

 ブルーマンデー症候群を予防・克服するためには、第一に、休日であっても「起床時間」「3度の食事の時間」はなるべく変えず、1日をリズミカルに過ごすよう心がけることです。
 たとえ就寝時間が遅くなったとしても、起床時間と食事時間は変えなければ、体内時計を大きく乱す心配はありません。

 休日は、平日と異なり、心身ものんびりし、副交感神経が優位になりやすくなっています。そのため、日中に眠気を強く感じることもあるでしょう。

 そうしたときには、15~30分だけ仮眠を取ってください。それだけで脳はスッキリし、落ち着きます。それ以上眠ってしまうと体内時計が乱れて、ブルーマンデーを迎えることになります。

 第二に、土曜日はダラダラゴロゴロと過ごしてもよいのですが、日曜日は外に出て、活動的な休日を楽しむようにしましょう。これが反対になると、休日から平日への切り替えがうまくできずに、月曜日に憂鬱な朝を過ごすはめになります。

 第三に、打ち合わせや商談などストレスを感じる仕事は、月曜日になるべく入れず、軽い仕事や好きな仕事でスケジュールを立てるとよいでしょう。重要な仕事は水曜日や木曜日など、週の半ばに入れておくと意欲的にこなせるようになります。

 第四に、アフターファイブには好きなことをしたり、好きな人と食事に行ったりなど、楽しい予定を入れておくと、朝から楽しい気分で過ごせます。

 さらに、もう一点、気の持ちようで月曜の朝を変える方法があります。簡単なことですが、「今日だけがんばればよい」と気楽に構えることです。

 これから始まる1週間を思えば、気が重くなって当然です。人生を楽しむには、「今このときの自分」を大切にすること。そうやって「今」を大事に生きていれば、ブルーマンデー症候群になることも、サザエさん症候群になることもなくなります。

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病気を防ぐ「腸」の時間割
老化は夜つくられる
藤田紘一郎 著



藤田紘一郎(ふじたこういちろう)
東京医科歯科大学名誉教授。昭和14年中国旧満州生まれ。三重県育ち。東京医科歯科大学医学部卒業。東京大学大学院にて寄生虫学を専攻。テキサス大学で研究後、金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授を経て、昭和62年より東京医科歯科大学教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。日米医学協力会議のメンバーとして、マラリア、フィラリアなどの免疫研究の傍ら、「寄生虫体内のアレルゲンの発見」「ATLウイルスの伝染経路の発見」など多くの業績をあげる。日本寄生虫学会賞、講談社出版文化賞、日本文化振興会社会文化功労賞および国際文化栄誉賞受賞。著書に『笑うカイチュウ』(講談社)、『清潔はビョーキだ』(朝日新聞社)、『脳はバカ、腸はかしこい』(三五館)、『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』『人の命は腸が9割』(以上、ワニブックス)、『体がよみがえる「長寿食」』(三笠書房)など多数。