カルチャー
2015年9月18日
「うちの息子ってヘン?」─息子に手を焼く妻に知ってほしい「男子育児」の秘訣
[連載] うちの息子ってヘンですか?【1】
文・小崎 恭弘
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元保育士で、NHK Eテレ『すくすく子育て』を始め、テレビや新聞、雑誌などでも活躍中の小崎恭弘さんによると、育児についての講演会などでお母さんたちからよく聞くのが、「男の子って大変!」「男の子がわからない!」という声だといいます。本連載では、そんな著書の最新刊『うちの息子ってヘンですか?』から、男子育児の「しんどさ」を解消する秘訣を紹介していきます。もし、あなたの妻が息子の言動に手を焼いているなら、この記事の内容を伝えてみてはいかがでしょうか? 「わけわからん」行動はお母さんのしつけのせいではありませんよ!


息子の行動が理解不能なお母さんたち


男の子と女の子の違い

 僕は、子どもを育てることを12年間、専門家として、仕事として行ってきました。いわゆる「保父さん」、男性保育士です。今は、大阪教育大学で「家庭科」教員の養成課程にいる学生たちに「保育」を教える仕事をしています。

 そして、僕は「男の子のプロ」です。あくまで自称ながらも、遠慮もなく(結構恥ずかしいですけど)、こうして名乗るには、それなりの理由が必要でしょう。
 第一の理由は、最も単純で一番大切なことです。それは僕が「男性」であるということ。ここは重要なところです。なぜでしょう?
 お母さんが息子とかかわるときに、一番困る理由として、「息子のことがわからない」という話を聞くからです。これまでにこの相談を何百回と受けてきました。

「なぜ、うちの息子はじっとしていられないのでしょう?」
「どうして、男の子は高いところに登りたがるのですか?」
「なぜ、あえて水たまりに入るのか。そんなルールでもあるんですか?」

 どのお母さんも、一度くらいはそんな思いを抱いたことがあるのではないでしょうか。
 お母さんにすると、その行動のひとつひとつが理解不能です。「なぜ? どうして? わからない!」という感じでしょうね
 それでは、当の本人に、どうしてそんなことをするのか、一度聞いてみてください。

「どうして、そんなことするの?」とダイレクトに。

 たぶん多くの息子たちは「ん? 何が?」と不思議そうな顔をすると思います。だって、説明なんかできませんし、その質問の意図さえ、わからないでしょうから。

 代わりに僕が答えましょう。それは「男の子だから!」

 お母さんは、「息子はまったく別の生き物! わからなくて当然」と覚悟を決めてください。お母さんと息子は、「大人と子ども」「女性と男性」「親子」という対極の立場にいます。
 僕が言いたいのは、「男だから、女だから」こうあるべき、こうじゃないといけないということではありません。息子をいっぱい理解するには、男女の違いをうまく理解していくことが大切だと、お伝えしたいのです。






うちの息子ってヘンですか?
男子育児のしんどさが解消される本
小崎 恭弘 著



【著者】小崎 恭弘(こざき やすひろ)
大阪教育大学教育学部 准教授。元保育士。1968年兵庫県生まれ。兵庫県西宮市公立保育所初の男性保育士として12年間、園児たちの保育に携わる。その間には、3人の息子の父親として育児休暇を3回取得。 自身も3兄弟の長男であり、高校生の頃から野外活動の「キャンプのお兄さん」として、幼児や小学生男子ともどっぷりかかわってきた「男の子のプロ」。NHK Eテレ『すくすく子育て』ほか、テレビや新聞、雑誌などでも活躍中。年間60回ほどの講演では、笑いあふれる漫談ふう育児指南を披露し、大人気を博す。NPO法人ファザーリング・ジャパン顧問。著書に、『男の子の本当に響く叱り方ほめ方』『思春期男子の育て方』(以上、すばる舎)、『わが家の子育てパパしだい!―10歳までのかかわり方』(旬報社)など。
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