カルチャー
2015年10月21日
「泣く?」or「笑う?」──いますぐできるストレス解消法
[連載] マンガでわかるストレス対処法【3】
文・野口 哲典
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笑いでストレスを解消する


笑うと幸せホルモンのセロトニンが分泌される!

 親しい仲間と酒を飲んでいるときやテレビでお笑い番組を見ているとき、楽しいことやおもしろいことがあったとき、思わず声をだして笑ったり、笑顔になる。

 笑いは身体の緊張をやわらげ、ストレスを発散させる効果がある。笑うことで精神的にリラックスできるだけでなく、免疫力が向上するのだ。

 そのため笑いが多い生活をしている人ほどストレスもたまりにくいといえる。

 さらに笑顔は人間関係も改善してくれる。いつも無愛想で不機嫌な人より笑顔の人のほうが接しやすいからだ。

 さて、「楽しいことやおもしろいことがあるから笑う」というのは当然のことだ。もし笑うべきでない場面で笑っていたら、変な人だと思われてしまうだろう。

 だが、最近の研究により、反対に「笑うから楽しくなる」こともあることがわかってきたのである。

 要するに行動が気持ちを生みだすこともあるのだ。楽しいから笑うのはあたり前だが、反対に笑うことで楽しい気持ちになることもあるということなのだ。

 これは行動がきっかけになりセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなど、やる気や快感に関係する神経伝達物質の分泌が促進されるからである。

 たとえば、特に楽しくなくても、笑顔をつくるだけで心が軽くなり、楽しい気持ちになっていく。つまりつくり笑いでも、本当に笑ったときと同じ効果があるということだ。

 試しにうれしいときにするような笑顔をつくってみよう。声をだして腹の底から笑うふりをすると、さらに効果がある。

 これだけでもストレスホルモンのコルチゾールが減少することがわかっている。

 こうした効果は笑いだけではない。腰に両手を当てて胸をはり、いかにも自信があるような格好やふりをするだけでもよい。

 または、繰り返し手を握ったり開いたりするなど身体の一部を動かしたり、両手のこぶしを力強く握りしめるなど筋肉を緊張させることで、やる気や集中力をアップさせることができる。

(了)





マンガでわかるストレス対処法
原因がわかれば解決策はおのずと見えてくる!!
野口哲典 著



野口哲典(のぐち てつのり)
1958年愛知県生まれ。東海大学卒。市場調査会社を経て、ライターとして独立。執筆活動だけでなく、確率などをテーマにした講演もこなす。おもな著書に、『知ってトクする確率の知識』『数学的センスが身につく練習帳』『数字のウソを見抜く』『みんなが知りたい男と女のカラダの秘密』『マンガでわかる確率入門』『身体に必要なミネラルの基礎知識』『マンガでわかる神経伝達物質の働き』『マンガでわかるホルモンの働き』(サイエンス・アイ新書)や『判断と選択に役立つ〈数〉の法則』(河出書房新社)、『「成功法則」を本気で科学する』(ベストセラーズ)、『入門 統計学はこんなに役立つ』(宝島社)などがある。
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