スキルアップ
2016年6月8日
「本を読むと視野が広がる」の"本当"の意味を知ってますか?
文・赤羽 雄二
  • はてなブックマークに追加

視野が狭い人は目先のことしか考えられない


 これは仕事でも同じです。
 私が見ているなかでも、視野が広い人であれば、社長方針あるいは部門長方針を聞いて、自分の仕事を全社最適の観点から考え、行動を起こすことができます。二歩も三歩も先を見て、最も効果的な手を打つことができるのです。

 一方、視野が狭い人は、目先のことしか考えません。上司がどれほど目線の高い話をしても、自分が理解できる範囲でしか物を見ようとせず、考えようとしません。要は他とのつながりのない「点」でしか物を見ていないので、一貫性を持った施策や行動につなげることができないのです。すると、やることが行き当たりばったりになりますし、環境が変わったらおろおろするだけになるでしょう。また、そういう人は、他部門との連携はできるだけしないようになります。調整しづらくて面倒だからです。

 どちらが結果を出せるか、社内でも有能な人として活躍できるか、は明確ですよね。

 同じテーマでも、さまざまな視点で書かれた本があります。「人工知能」一つにしても、

「人工知能はこれからどう発展するのか」
「人工知能が心を持つ可能性はあるのか」
「人工知能は人の職を奪うのか」
「人工知能の技術はどういうものなのか」

など、それぞれ切り口が色々とあります。会社の問題についても、

「経営者向けの本」
「リーダー向けの本」
「中堅向けの本」

など、見ていくと、立場によって状況が変わることがわかります。そうして関心があるテーマについてさまざまな本を読むと、「さまざまな視野で物事を考える」ことができるようになり、会社やクライアントの方などからも、「広い視点でアイデアを出してくれる」「必要なことをわかってくれる」大事な人材だ、と思ってくれるようになるのです。

(了)



◆ 読書を行動に変える仕組みとしてFacebookグループ「アクションリーディング 行動するための読書」を立ち上げています。そこでは、皆さんの「読書体験」を共有したり、読書をもとにどう行動するかやり取りができればと思います。もちろん、質問も大歓迎です。ぜひ、ご登録ください(赤羽 雄二)。

>>Facebookグループ「アクションリーディング 行動するための読書」へ


アクション リーディング
1日30分でも自分を変える"行動読書"
赤羽 雄二 著



赤羽雄二(あかば・ゆうじ)
東京大学工学部を1978年に卒業後、小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。 1983年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了。1986年、マッキンゼーに入社。経営戦略の立案と実行支援、新組織の設計と導入、マーケティング、新事業立ち上げなど多数のプロジェクトをリード。 1990年にはマッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げ、120名強に成長させる原動力となるとともに、韓国企業、特にLGグループの世界的な躍進を支えた。2002年、「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命としてブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業。 最近は、大企業の経営改革、経営人材育成、新事業創出、オープンイノベーションにも積極的に取り組んでいる。著書に『ゼロ秒思考』『速さは全てを解決する』『ゼロ秒思考[行動編] 即断即決、即実行のためのトレーニング』(ダイヤモンド社)、『世界基準の上司』(KADOKAWA)、『マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング』『マンガでわかる! マッキンゼー式リーダー論』(宝島社)、『世界一シンプルなこころの整理法』(朝日新聞出版)、『頭が真っ白になりそうな時、さらりと切り返す話し方』(KKベストセラーズ)、『7日で作る事業計画書』(明日香出版社)、『頭を前向きにする習慣』(幻冬舎エデュケーション新書)、『もうこれで英語に挫折しない』(祥伝社)がある。
  • はてなブックマークに追加