カルチャー
2017年6月6日
スーパーが充実している駅はココ!──駅前スーパーランキング
文・小林拓矢
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引っ越しや一人暮らし、さらにはマンションやマイホームの購入など、住む場所を決める際には、使いやすい鉄道路線や、駅前が充実している駅を基準に探す人は多いのではないだろうか。特に、毎日の生活、特に食事や日用品の購入の際に欠かせないのが、駅前にあるスーパーマーケットだ。同じ駅前に、複数のスーパー、それも充実したスーパーがあると、住民としては本当にありがたい。ここでは、首都圏の沿線の「勝ち組」と「負け組」を豊富なデータとユニークな視点から採点してベストセラーとなった『沿線格差』の著者で、最近その続編となる『駅格差』を執筆した首都圏鉄道路線研究会の一員である小林拓矢さんに、駅前スーパーが充実している駅をランキング形式で紹介いただいた。


山手線の外側は、駅前スーパーが充実している


 駅前スーパーが多いのは、郊外や住宅地の駅である。23区で考えると、山手線の内側には中小規模のスーパーはあっても大規模な駅前スーパーはなく、山手線の外側の駅で駅前スーパーが充実している。ハイソな雰囲気の西側でも、庶民的な雰囲気の東側でも、充実しているところが多い。

 気になる駅前スーパーの充実度ランキングは、以下のとおりだ。

1位 赤羽
2位 大井町
3位 亀有
4位 金町
5位 成増

 ランキングの基準は、スーパーの数だけではなく、生活をするのに使い勝手の良いスーパーがあるかどうかも考慮し、充実度を勘案して決めた。

 1位は赤羽駅だ。埼京線・湘南新宿ライン・上野東京ライン・京浜東北線が乗り入れるこの駅には、東口にダイエーと西友、西口にイトーヨーカドーがある。東口の2店舗は小さな店だが、西口のイトーヨーカドーはたいへん大きな売り場面積の店舗である。
 西口のイトーヨーカドーは総合スーパーとなっており、食品のみならず生活に必要なさまざまなものを扱っている。東口の西友は価格の安さとクレジットカード、「ウォルマートカード セゾン」の割引率の高さで人を集めている。

 2位の大井町駅は、西口にイトーヨーカドー、東口に西友と大きなスーパーが2つある。このほか、肉のハナマサには肉が充実しており、アワーズイン阪急にある大井食品館では高級食料品の品ぞろえがよい。

 一方、3位には北側の亀有が入ってくる。亀有駅前には、イトーヨーカドーがある。同じ建物にはニトリやノジマもあり、やはり生活のためのものを買うのには便利な店となっている。
 さらに駅から歩いてすぐのところに、ショッピングモールのアリオ亀有がある。イトーヨーカドーをメインとするアリオ亀有は、映画館などを併設した本格的な郊外型のショッピングモールであり、さまざまな生活スタイルの人でも、いるだけで楽しめる。フードコートも広く、郊外感覚、もっといえば地方の感覚を味わうには、アリオ亀有は最適のところだ。

 4位の金町は東急ストア、マルエツ、イトーヨーカドーと、さまざまな駅前スーパーがあり、比較が可能だ。

 5位は成増だ。西友、業務スーパー、ダイエー、マルエツと駅前スーパーが多い。以前は東急ストアもあった。成増は都内でも家賃が安く、暮らしやすいところのひとつと言えるだろう。



駅格差
首都圏鉄道駅の知られざる通信簿
首都圏鉄道路線研究会 著



首都圏鉄道路線研究会
東京の鉄道路線を中心に各種統計データなどを駆使して、鉄道がもたらす様々な効果効用を日夜研究している。属性としては「鉄っちゃん」でもあり、三度の飯より鉄道をこよなく愛する。「路線の格付け」は確かに存在するが、いかなる路線であってもそこに利用者がいる限り、それを愛でる観点を忘れない。
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