スキルアップ
2017年11月15日
知っていますか?「聞き上手」の3大ポイント
『誰とでも会話が弾み好印象を与える聞く技術』より
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 (1)の「見た目」は、聞き手の「態度」「しぐさ」のことです。たとえば、表情、ふるまい、服装などです。一般的に、他人の欠点はよく見えますが、自分がどう見られているかの認識は薄くなりがちです。聞き手の態度が悪いと、話し手は「聞いてくれていないな......」と思ってしまいます。

 あなたがいくら聞いているつもりでも、話し手が「聞いていない」と感じるのであれば、あなたは聞いていないことになってしまいます。十分に注意しましょう。

 (2)の「相づち」は、相手の話への「反応」の1つです。ひと口に相づちといっても、相づちの語調、打ち方、声の大小や速度などいろいろです。相づちの意義は、話し手が話しやすい環境をつくることです。あなたの周りには、穏やかな相づちではなく、わずらわしい相づちをする人はいませんか?

 やたらと「はい、はい、はい」などという相づちは、邪魔になる相づちの1つです。だからといって、無言で聞いているだけでは聞き手になりません。

 (3)の「質問」は、話し手の話を真剣に聞いて、より自分の理解を深め、さらには、話し手からより一層の話、考えを引きだそうとする行為です。一般的には、自分がより理解するための質問が優先されますが、よい質問はそれだけではなく、相手の考えを上手に引きだすことができるものです。

「傾聴」の3つの基本を身につける


 続いて、話し手に満足感を与える「傾聴の技術」について、3つの聴き方に分けて考えてみましょう。なお、ここでは「聞く」ではなく、「聴く」という漢字を使います。

 1つ目の聴き方は、「受動的な聴き方」です。受動的な聴き方というのは聴き方の初段階であり、基礎・土台です。こう考えると、今後、考えるときに気が楽になるはずです。聞き方の基礎ができていれば、無理に「なにか話さなければ...」と考えることはありません。まずは、「相づち」(「うなずき」も)がきちんとできるようになれば、話し手は「聴いてくれているな」と感じるので、気持ちよく会話できます。

 なお、「黙って聴いていればいいんでしょ」という姿勢と「受動的に聴いている」というとは違います。

 2つ目は、「肯定的な聴き方(ポジティブリスニング)」です。受動的に聴いているだけではなく、「はい。そうですね」「確かにおっしゃるとおりですね」「今まで気が付きませんでした」など、話し手を承認するような「間の手」を入れるのです。

 この間の手を少しずつ増やしていけば、聴き上手に近づきます。そうすると、話し手の「安心感」「満足感」が高まります。それは、聴き手のあなたにも伝わり、上手な聴き方が身についていくのです。そうすれば、穏やかなコミュニケーションができるようになります。

 3つ目は、「積極的な聴き方(アクティブリスニング)」です。この3つ目を入れて、上手な聴き方の「ワンセット」と思ってください。ただし、「積極的に聴く」という意味を誤解しないようにしましょう。ここでの「積極的」とは、「積極的な自分の発言」ではなく、「話し手の内容を、要所要所で確認したり、質問したりすることで、相互理解を高める」ことです。

 たとえば、「キーワードを確認しながら聴く」「質問して理解を高める」「自分の意見をいう」などを行えば、積極的な聴き方、コミュニケーションができるようになります。

 また、「質問」「意見」は、コミュニケーションを高める気持ちを大切にしながら行いましょう。この心構えを大切にすると、無駄な質問や意見が減り、「○○さんは、聴き方が変わったね(良くなったね)」と言われるでしょう。

(了)
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誰とでも会話が弾み好印象を与える聞く技術
相手の話を自然と引き出す「聞き上手」になる
山本 昭生 著/ 福田 健 監修



【著者】山本昭生(やまもと あきお)
国立・電気通信大学通信機械工学科卒業後、大手総合電機メーカーに入社。その間、1982年に話し方研究所のインストラクター資格を取得。1998年から会社の技術業務に加えて、社内研修の講師も担当。並行して話し方研究所の講師としても活動。その後、話し方研究所主任教授、NPO話し方ネットワーク理事長を歴任。現在、人材育成コンサルタント代表として、社会人、大学生のコミュニケーション講座、就職面接講座を実施している。全国の国家公務員、地方公務員、日本銀行、公益財団、一般企業のなどの研修講師として活動し、国家公務員研修、日本銀行では10年以上、全国の地方公務員研修、東京電力、大阪ガス、りそな銀行、久光製薬、ボッシュなどでは5年前後、講師を務めた。おもな著書は、現在10刷の『論理的に話す技術』(サイエンス・アイ新書)、6刷の『まず1分間にまとめる話し方超整理法』(日本実業出版社)、『理工系のための就活の技術』(サイエンス・アイ新書)などで、共著もある。

【監修】福田 健(ふくだ たけし)
中央大学法学部卒業後、大和運輸(現ヤマト運輸)入社。言論科未亡人学振興協会指導部長、理事を経て、話し方研究所を設立し、所長に就任、現在、会長。「子どもは『話し方』で9割変わる」「女性は話し方で9割変わる」「人生は『聞く力』で9割変わる」(経済界)など100冊を超える著書がある。