スキルアップ
2015年4月24日
会話が苦手な人は注意! 知らぬ間に嫌われる「天気の話」のワナ
[連載] 雑談術は、会話の達人のマネをするだけで上達する!【2】
文・松橋良紀
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 話し方の本や、雑談の本を買ってネタを仕入れる。そうしてネタを覚えたら、当然ながら、どこかでそれを披露したくなります。雑談の本を書いている私が言うのもなんですが、実は、覚えた雑談ネタをしゃべりまくることが、信頼関係をつくる上で、足を引っ張りかねないのです。

 なぜなら、相手の興味があるかどうかなどかまわずに、一方的にしゃべることになるからです。

 雑談ネタの披露はウザい人になるだけです。ほんの少しの間をぬって、自分の知識を得意げに話し始める人。持論を延々と語る人。先読みをして、話を奪う人。

 彼らは、会話がうまいように見えますが、かなり残念な人です。話の主導権を手放すことがなく、常に自分が主人公になります。雑談ネタは、自分が得意げになって知識を披露したり、「すごいね!」と言わせて優越感を得るためのものではありません。「相手にしゃべらせるための道具」として考えてください。

 ですから、口ベタな人は、余計な知識を仕入れて、無理にべらべらしゃべる必要はありません。口ベタという特性を生かすべきです。口ベタだからこそ、余計なことを言わない。

 すると、充分に相手がしゃべってくれるから、相手との間に共感が生まれる。

 共感が生まれるから、相手に信頼される。だから、相手の心に突き刺さる雑談ができるのです。

 では、そのためにはどうすればよいのでしょう。

雑談ネタは質問とセットにせよ!


 それは、自分がしゃべらずに、相手にしゃべらせる技術を磨くことです。雑談ネタを仕込むよりも、相手をしゃべらせることに集中するべきです。しゃべらせるために必要なことは、「聞き方の技術」です。

「聞き方? それは大丈夫ですよ。それよりも話し方を教えてください!」

 こんな声が聞こえてきそうですね。

 コミュニケーション・セミナーで、開始前に参加者にヒアリングすると、多くの人が「話し方を向上したい」とおっしゃいます。

 そんなときに、「聞き方はできていると思いますか?」と質問すると、「ええ、聞くのは得意です」と答える方がほとんど。

 しかし、実習をしてみると、「得意だ」と答える人できちんと聞き方ができている人は一人もいませんでした。

 「聞き方の技術」を習得すると、びっくりするくらい短期間で、コミュニケーション能力が変わります。

 ここでは雑談のネタを使って、効果的に会話を盛り上げる秘訣を教えましょう。

 それは、雑談のネタをすべて質問形式にすることです。

「今日は暑いですけど、何か、暑さ対策ってされていますか?」
「天気がいいですけど、明日から雨だそうですよ。お休みの日は何をされていまか?」
「会場は駅から近くて便利ですね。どちらから来られました?」
「ここは初めてですけど、けっこういい場所ですね。よく来られるんですか?」
「私を紹介してくれた方は、鈴木さんというんですけど、とても人脈が広い方ですね。ちなみに、あなたは、どなたの紹介でご参加ですか?」
「おもしろい集まりがあるということで、今回参加したんですよ。あなたは、どんな経緯で参加されたんですか?」

 このように、雑談のネタは質問のきっかけに使うのです。

 質問で話を終えれば、後は相手の話すのを待つだけです。

 例えば訪問販売だと、お客様は売り込まれるのを警戒しますから、最初からべらべらしゃべってくれる人はあまりいません。

「余計な言葉は絶対出さないぞ!口を開かないぞ!」

 そんなお客様が圧倒的に多いのです。
 かたくなに「口を開かないぞ」と決めているお客様でも、質問をすればしゃべります。「口数が少ない人が苦手です」というのは、無口な人を相手にしたときに、ビビッてしまっているのです。

 そのため質問をするのが悪いと思い、一人でしゃべりすぎてしまう。そうして相手が、ますます殻に閉じこもってしまうのです。質問しないことで、このような悪循環を生み出しているのです。

 雑談のネタは、しっかりと質問形式で終わらせること。

 あくまで「相手の口を開かせること」に意識を向けましょう。

雑談が盛り上がる人が気をつけている、話の順番


 最後に、雑談のネタを使うときに気をつけることをお伝えします。それが「順番」です。

 ここでは、雑談ネタを使うときの順番をお伝えしますね。

【順番1】天気や気候の話題
「今日は暑いですね」「寒いですね」
「天気がいいですけど、明日から雨だそうですよ」

【順番2】場所について
「この交流会の会場は、駅から近くて便利ですね」
「参加するのは初めてですけど、けっこういい場所ですね」

【順番3】共通の話題
 お互いをつないでくれた人など、共通の人や場所の話をします。
「私を紹介してくれた方は、鈴木さんというんですけどとても人脈が広い方でしてね」
「おもしろい集まりがあるということで、今回参加したんですよ」

 このように、気候の話、場所の話など、無難な話から始めて、相手との距離を詰めていきます。

 内容はまったくスカスカでいいのです。雑談することで、相手は、「自分に気遣ってくれている」と感じてくれていますから、安心して内容のない話をしてくださいね。

(了)
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会話の達人の話し方を真似したら人見知りの僕でも楽しく雑談できました
松橋良紀 著



松橋良紀
コミュニケーション総合研究所 代表理事。NLPなどの心理学をベースにした「コミュニケーション心理」の専門家。26才で、訪問営業をスタートするが、鳴かず飛ばずの3年間を過ごす。あまりに売れないために、借金まみれになり30才でクビ寸前になる。しかし、会話上手の人の話し方を真似てみることで、会話が途切れなくなったり、好かれたりするなどすぐに効果が表れ出す。3年間売れなかったダメダメセールスマンが、たった一ヶ月で全国トップセールスに!給料が20万円から100万円になり、人生が一変! その後、30才でカウンセラー養成学校に通い、NLPや催眠療法など心理学を学ぶことで、うまくいった「根拠」も習得。社内研修講師に任命されて、全営業所の全社員の営業研修を担当すると、1年で売上を3億円もアップさせる。36才から、ナポレオン・ヒル財団へ転職し、「目標設定講座」などの自己啓発講師を任される。営業16年間で、約1万件を超える対面営業と、多くの研修を経験する。2007年に講師業をメインに、営業コンサルティング会社を設立。セミナーの参加者が、すぐに成果が出るという口コミが広がり、出版の機会を得る。