ショップや商品のUSPを創り出す

　ショップや商品のUSPを創り出すことは、ネットショップをはじめるにあたっての最重要項目です。USPとはコンセプトやオリジナリティの基となる要素で、なぜあなたがその商品を世の中に提供しなければいけないのか、そしてお客様にどのような利益を提供できるのかを明確に表現することが重要です。運営が続かないネットショップは「USPが定まっていない」、あるいは、いくら素晴らしいUSPが定まっていたとしても「お客様に的確に伝わっていない」という場合が多いです。「オリジナリティがない」「他の誰かが同じことをやっている」「あなたである必要がない商品やサービス」しか提供できないのであれば、最終的には価格競争に陥り、体力のない小規模のネットショップは撤退せざるを得ません。だからこそ、独自色やメッセージ性の強い商品選定が重要になるのです。

●USPを創り出すフロー
　では、USPはどのように創り出せばよいのでしょうか。やり方はいろいろとありますが、単純でシンプルな方法は、「自分の棚卸し」です。自分の子供のころから現在までを振り返り、なにが好きだったのか、得意だったのか、いま現在なにに関心があるのか、売りたい商品の強みはなにかなどを、単語でもフレーズでもかまいませんので、思いつくままに書き出してください。

　自分の思いつく単語やフレーズを書き出すことで、自分の強みや特徴、個性を再確認することができます。ただ、個性を表現するフレーズやキーワードはそう簡単には生まれません。最初のころに思いついたキーワードは、一般的でありきたりな、誰にでも思いつくようなものです。そこで終えてしまっては、どこにでもあるようなショップや商品になってしまいます。1日1時間でも2時間でもよいので、自分の得意分野を淡々と深掘りしていきましょう。この深掘りに1週間以上ついやしてもかまいせん。深いところから掘り出されたキーワードは、他者にはないあなただけの強みになります。

　深掘りしたキーワードをパソコンにひたすら打ち込むのでもよいのですが、個人的にオススメなのは、単語帳に書き出すことです。

　最初のうちは1日10単語でもかまいません。自分の好きな言葉や得意なこと、会話の中で気になった単語、電車の中吊り広告で見かけたキーワード、テレビでお笑い芸人が使っていたフレーズなど、なんでもかまいません。とにかく思いつく限り、自分の好きなことや得意なこと、気になったことを出しつくしてください。これがいちばん基本で、いちばん重要なことになります。

　USPを見つけ出すヒントは世界一（世界一がイメージしづらければ、日本一でも地域一でもかまいません）を狙えるもの、あるいは狙えるだけの興味や関心を持っているものを掘り下げていくとよいでしょう。それは、実績はなくても、「商品やサービスについて考えている時間が日本一だ」とか、「熱意だったら誰にも負けない」と、心の中で思っていることでも大丈夫です。同じキーワードが思い浮かんでもかまいません。それだけあなたが自信を持って取り組んでいる証です。

　次に行うことは、書き出したあなた（商品）のキーワードを分類することです。あなたの頭の中から一生懸命掘り起こしたキーワードが書いてある、単語帳、メモ帳、プリントアウトした用紙、切り抜いた雑誌などを床に広げて、似たような単語やフレーズをまとめていくことです。目で確認し、体で追いかけることによって、自分（取り扱おうと思っている商品）には多くの強みがあったことを再認識できます。そして大きな集合体になったゾーンがあなたの好きなことでもあり、得意分野です。この集合体が多ければ多いほどあなた自身の強みになりますので、なるべく多く抽出してください。

　あなた自身の強みを確認したら、それを分かりやすいメッセージにしたり、組み合わせたりして、あなただけのUSPを見つけていきます。詳細については、『成功する ネットショップ集客と運営の教科書』で解説していますので、一読いただけると幸いです。

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