スキルアップ
2014年8月27日
サクッとわかるフレームワーク[1]
ロジックツリーとSWOT分析
[連載] 知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク【1】
文・永田豊志
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自分や自社の強みと弱みを分析する──SWOT分析


 SWOT分析は、目標達成のために意思決定が必要な企業や個人に対して、「強み」(Strength)、「弱み」(Weakness)、「機会」(Opportunity)、「脅威」(Threat)の4つの要因を軸に、事業の評価や目標達成のための戦略を練るツールです。SWOT分析は、フォーチュン500のデータを用いて1960年代から70年代にスタンフォード大学で研究プロジェクトを導いた、アルバート・ハンフリーにより構築されました。SWOT分析は戦略フレームワークの中でも定番ですから、しっかりおさえておきましょう。

 SWOT分析は、自分や自社の事業に対して、以下のような質問を投げかけることからスタートします。

「目標達成のためには、どのように自分の強みを活かすか?」
「目標達成のためには、どのように自分の弱みを克服するか?」
「目標達成のためには、どのように市場や顧客獲得の機会を利用するか?」
「目標達成のためには、どのように脅威を取り除くのか?」

 SWOT分析では、このような質問に答える形で、強み、弱みといった内部環境と、市場や顧客獲得の機会、脅威といった外部環境を2×2マトリックスにして分析していきます。

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●内部環境と外部環境って何?

 内部環境には、人材、財務、製造、マーケティングなどが含まれます。したがって、強みと弱みは、「技術に明るい人材が豊富」(強み)、 「マーケティングに定評があり、ブランド力が高い」 (強み)、「キャッシュフローなど財務体質が弱い」(弱み)というような項目が挙げられます。

 ここで言う強みや弱みは、あくまで競争相手と比較した場合の相対的なものだということに注意してください。また、強みと思える要素が将来においても継続的に確保できるかどうかも重要です。強みと弱みの整理には、コア・コンピタンス分析が有効です。

 また、外部環境には、マクロ経済、技術革新、法令や文化などの環境変化が含まれます。たとえば、「業界の認知度アップ」(機会)、「国内景気の好転」(機会)、「法制度の厳格化」(脅威)、「米国の最新技術で代替が可能に」(脅威)などが挙げられます。外部環境の分析にはPEST分析や3C分析などのフレームワークが有効です。

 外部環境と内部環境の現状を抽出した上で、強みを機会に活かす、強みによって脅威を回避する、弱みを強みに変える、弱みと脅威の鉢合わせ(最悪の事態)を避けるなどの戦略を立てていきます。

(第1回・了)





知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100
永田豊志 著



【著者】永田豊志 (ながた とよし)
新規事業プロデューサー、株式会社ショーケース・ティービー最高執行責任者。 リクルートで新規事業開発を担当し、そのままメディアファクトリーで漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。



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