カルチャー
2014年9月9日
ねこ背を治せば視力はぐんぐん回復する!
[連載] 『7日間で突然目がよくなる本』より【前編】
文・清水 真
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なぜ、ねこ背を正すと目の不調がよくなるのか


 ねこ背は頸椎(首)のゆがみを引き起こして、視神経を圧迫させます。
 視神経が圧迫されることによって、目の働きが根本的に低下するため、様々な目の不調が現れるのです。

 首は通常、「くの字」を描いています。適度に「前にカーブしている」状態です。
 しかしながら、頭が前傾して、重心が前にいくと、「逆くの字」になってしまいます。要するに、「後ろにカーブしている」状態。これが、首ねこ背です。

 また、背中は本来、頭を支えるためにS字カーブを描いています。
 しかし、頭が傾くことによって、バランスを取るための体の軸が変わってしまうので、背中を曲げないと頭を支えられなくなります。これが、背中ねこ背です。
 首ねこ背と背中ねこ背は、いわばセットなのです。

頚椎の位置 ※クリックすると拡大

 首には、頸椎という頭を支える骨があり、全部で7つに分かれています。上から順番に第1頸椎、第2頸椎......と呼ばれています。

 私たちの運動神経や知覚神経は、骨の中の空間に保護されるようにして、全身に広がっています。

 頸椎にしても、腰椎にしても、骨と骨の間には、椎間板という組織が入っています。この椎間板は適度な弾力を持っていて、運動神経や知覚神経に直接触れないようにするクッションの役割を担っています。

 しかしながら、頸椎の1番と2番だけは、この椎間板が元々ありません。

 なぜなら、生活環境の中で、首を上下したり、左右に動かしたり、回したりなど、大きな可動域を必要とするからです。言い換えれば、首を動かすときに、椎間板がむしろ邪魔になってしまうわけです。

 実際、首の関節は45度から50度動くといわれています。1番と2番に関しては、いま述べたように首の様々な動きを担っていますから、なんと74度も動きます。わずか5度しか動かない腰の関節と比べれば、じつに柔軟な関節なのです。

 しかし裏を返せば、頸椎の1番と2番は、神経を守ってくれるクッションがないため、非常にダメージを受けやすい場所でもあります。

 そして、ここが鍵となりますが、この頸椎1番と2番、つまり上部頚椎のダメージや歪みは頭蓋骨の歪みも引き起こします。

 その結果、自律神経の伝達が悪くなり、脳と視神経からの情報伝達も悪くなってしまうのです。

 視神経は、目に関する重要な役割を担っています。
 そのひとつが、目の毛様体と呼ばれる筋肉を調節する機能です。わかりやすくいえば、目の動作を任されています。

 代表的なものとして、閉眼(目を閉じる)、開眼(目を開く)から始まって、遠くを見たり近くを見る際の目のピント調節があります。目がよく見えるようになるための、大元ともいえる働きです。
 ねこ背によって視神経の伝達が悪くなると、これらの調節ができなくなるので、視力が低下してしまいます。

 逆に、ねこ背を矯正して視神経の伝達がうまくいくようになれば、毛様体の柔軟性が上がります。
 ピント調節が整うので、近くの物も遠くの物もきちんと見えるようになります。
つまり、近視や遠視がよくなるのです。
 同時に、近視や遠視のバランスが崩れた状態が老眼なので、自然と老眼も改善していきます。

 私の著書『7日間で突然目がよくなる本』では、視力アップ&ねこ背矯正の7日間プログラムを紹介しているので、ご興味のある方は参考にしてみてください。

(了)





7日間で突然目がよくなる本
1日5分!姿勢からアプローチする視力回復法
清水 真 著



【著者】清水 真(しみず まこと)
1973年北海道生まれ。(株)NaturalHands。一般社団法人姿勢道普及協会理事長。姿勢教育指導士、日本スポーツクラブ協会認定マスターインストラクター、中高老年期運動指導師。2001年より北海道札幌市内を中心に整体院、整骨院、鍼灸院を展開。「姿勢の専門家」として過去12万人の姿勢矯正を行ってきた経験から、姿勢の悪さと視力、痛み、肥満など身体的な不調、また自律神経失調症など精神的な症状との関連を実感。講演活動や各種セミナー、テレビ、ラジオ等を通じて「姿勢の大切さ」の啓蒙にあたっている。著書に『ねこ背は「10秒」で治る!身長が伸びる、やせる! 背伸ばし体操』『大人でも身長が伸びる!やせる! 背伸ばし体操』(共に講談社)がある。
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