ビジネス
2015年8月26日
仕事・自分・人間関係を「こじらせない」ための方法
文・山口 揚平
『10年後世界が壊れても君が生き残るために今、身につけるべきこと』(山口揚平 著)
『10年後世界が終わっても、君が生き残るために今、身につけるべきこと』の著者で、大学生向けNo.1ビジネスプログラム「海外武者修行プログラム」の戦略アドバイザ-も務める山口揚平さんは、そんな変化の多い時代でも、変わらない成功の秘訣は、まず第一に「こじらせた自己評価をマイナスからプラスに持っていくこと」と話します。
とはいえ、日常には自己評価だけでなく様々な「こじらせ」はあるものです。
それをどう解いていくべきかを、山口さんにまとめていただきました。
人間関係の本質は「距離感のマネジメント」
"すべての悩みは人間関係である"といえるほど、人付き合いに関する悩みはつきません。たとえば、上司と合わない、取引先の人が苦手、友人と仲違いした、恋人と別れた、などなど。
人間関係の問題が難しいのは、それぞれが特異なので、ノウハウ本を読んで「すぐ解決!」ということにはならないことです。
こういうときは、本質を押さえるべきなんです。
コミュニケーションの本質は、相手との「距離のマネジメント」です。
人は「愛」と「条件」の間でさまよっています。たとえば、自分の信念や志で動く人もいれば、ある意味打算的に動く人もいます。このとき、相手がどの位置にいるのかがわかれば、仕事の面でも、つきあいの面でも、すごくやりやすくなると思います。相手との距離を一度、測ってみて、言語化してみるのです。5段階で数字づけしてもいいかもしれません。
たとえば、あなたが熱心にその仕事の意義について語っていても、相手が無反応だったとします。そんなときは、相手は「条件」のほうに目を向けているのかもしれません。その仕事をしたらどんな報酬があるのかばかり考えている人に、どんなに意義だけを説いてもうまくいかないでしょう。
反対に条件のことばかり話していると、「お金のためにやっているのではない!」と不機嫌になる人もいたりします。
わかりやすくするために極端な例をご紹介しましたが、相手のスタンスに気づくと、仕事もやりやすくなります。
世間で言う「優秀な人」のウソ
「自分は優秀じゃないから」と卑下する人がいます。
でも、そういう人は、何をもって「優秀」というのかをわかっていないのだと思います。
優秀な人というと、一流大学を出たり、高い成果を出したり、自分の考えをきちんと伝えられる人だと思っていませんか? でも、実際には、いわゆる「優秀な人」より、柔軟な人、謙虚な人のほうが、優秀だったりします。
僕の会社でもインターンなどを募集することがあります。
でも、一流大学の出身で、本当にエリートなんだけど、自分のプラスになることだけをしようとする人もいますね。でも、それは組織から見たら、なんの貢献にもなっていないことになります。
大事なことは「貢献意識」(コントリビューション)です。
自分以外の人にどれだけ役に立てるか。これをいつも考えていることが大事です。
これは、どんなときだってできることです。
それを続けていれば、信用も得られるし、自分がやるべきことも見えてくるはずです。
【著者】山口揚平(やまぐちようへい)
早稲田大学政治経済学部卒業。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業した。企業の実態を可視化する「シェアーズ」を運営、2010年に一度売却するも、2012年に買い戻した。現在はコンサルティングなど複数の事業・会社を経営する傍ら、執筆・講演を行っている。専門は貨幣論・情報化社会論。
早稲田大学政治経済学部卒業。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業した。企業の実態を可視化する「シェアーズ」を運営、2010年に一度売却するも、2012年に買い戻した。現在はコンサルティングなど複数の事業・会社を経営する傍ら、執筆・講演を行っている。専門は貨幣論・情報化社会論。