スキルアップ
2016年1月22日
自分の人生をPDCAで回す──ホリエモン流「有限」な時間の使い方
[連載] 本音で生きる【1】
文・堀江 貴文
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すぐできることは、迷わずすぐやれ


 心掛けているのは、「すぐできることは、すぐやる」ということだ。
 たとえば、メール。みなさんも、仕事でもプライベートでも日に何通もメールのやりとりをすると思うが、そのなかには一瞬で判断して返信できるものも多いはずだ。
 受け取って中身を見て判断し、簡単に返信して30秒。こうすることで、仕事が自分のところに溜まってしまうことはないし、未読のメールの山を前にうんざりすることもなくなる。
 同様に5分でできることは、すぐやる習慣をつけておく。
 すると仕事が溜まることなく片付いていく。

長期ビジョンなど、持つ必要はない!


 「今すぐやる」べきなのは、こうした簡単な仕事にとどまらない。

 僕がロケットエンジンを開発しているというと、「壮大な夢ですね」「どういう長期ビジョンをお持ちですか」と聞かれるから、いつも呆れてしまう。
 だって、今すぐやりたいのだから。「いつかは叶うかもしれない夢」のために、僕はロケットエンジンを作っているわけではない。そんなことを聞く人には、「今すぐやれない理由って何かあるのですか?」と聞きたいくらいだ。

「5年後に○○をして、10年後に△△になる」という目標を挙げる人もいるが、僕には、夢だとか、長期ビジョンだとかいったものがよくわからない。
 なぜ、そんな長期ビジョンを持つ必要があるのだ?
 長期ビジョンというのも、結局は言い訳だ。
 やりたいことがあれば、今すぐにとりかかって、「なる早」で実現する。それだけだ。

 時間は有限だ。のんびり長期ビジョンを立てるなんて、まったく時間の無駄でしかない。時間を効率的に使うなら「今やる」ことだ。

 最後に、時間を無駄にしないために、大事なこと。
 それは、「極限まで忙しくしろ」ということだ。
 あなたの一日を振り返ってみて欲しい。その時間のなかで、あなたはどれだけ自分のやりたいことをやったのだろう。

 矛盾しているように聞こえるかもしれないが、時間を有効に活用するためにまず必要なのは、忙しくするということだ。忙しいフリをするのではなく、本当に忙しくなるよう自分を追い込むのである。
 自分がやりたいことに優先順位などつけず、片っ端からやる。
 行きたい場所やイベントに行く。会いたい人に会う。食べたいものを食べる。
 今まででも忙しいのに、さらに予定を詰め込むなんて、とうてい無理だときっとあなたは言うことだろう。だが、なぜやったこともないのに、無理だとわかるのか?
 疲れたと思ったら、そこでストップして、寝てしまってもいいのだ。

 限界までやりたいことをやろうとする。そうしてはじめて、時間をどうやって使えばよいのかが見えてくるのである。

たいしてすることもないのに、時間を効率化しようというのは、それこそ時間の無駄というものだ。

(了)





本音で生きる
一秒も後悔しない強い生き方
堀江 貴文



堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年福岡県八女市生まれ。実業家。SNS株式会社ファウンダー。元・株式会社ライブドア代表取締役CEO。東京大学在学中の1996年、23歳のときに、インターネット関連会社の有限会社オン・ザ・エッジ(後のライブドア)を起業。2000年東証マザーズ上場。時代の寵児となる。2006年証券取引法違反で東京地検特捜部に逮捕され、実刑判決を下され服役。現在は、自身が手掛けるロケットエンジン開発を中心に、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活躍。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者。2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文サロン」をスタートした。近著に『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『我が闘争』(幻冬舎)、『逆転の仕事論』(双葉社)など。
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