スキルアップ
2018年1月31日
"知的"に見える人は、使う言葉が違う!
──大人の語彙力ノート
日常でも仕事でも、ちょっとした言葉の違いで、知的に見えたり、品が良く見えたりするものです。では、どうしたら、品が良く知的に見える言葉になるのか。
明治大学の教授であり、NHK Eテレ「にほんごであそぼ」の監修でもおなじみの齋藤孝先生にまとめていただいた『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)をもとに紹介していきます。
ぶっちゃけて言うと〇〇 → ありていに言えば〇〇です
「ぶっちゃけ」は、ぶっちゃける(打明)を略した語。「ぶっちゃける」は「ぶちあける」から転じた言葉で、隠すことなく語るという意味です。
2000 年代から使われるようになり、2003 年にテレビドラマ「GOOD LUCK!!」で俳優の木村拓哉さんがセリフで多用したことから、一般に浸透しました。
まさか目上の人に「ぶっちゃけ、言わせてもらいますが...」などと口にしている人はいないとは思いますが、言い換え表現に「ありていに言えば」があります。
「有り体」は、ありきたりなこと、ありふれたことのほか、ありのままであること。「有り体に言えば」は、「隠すことなく」という意味です。
暇なときにお願いします → お手すきのときにお願いします
誰もが忙しくしている昨今、お願いをするときには、相手の時間への気遣いもしたいものです。そこで、特に急ぎではない場合、「お手すきのときに手伝ってください」などと言います。「手隙」は、仕事が切れて暇になること、手が空いていること。
ほかには「ご都合のよいとき」「お時間のあるとき」なども使えます。「暇なときにお願いします」では、「そんな暇はない!」と言う方もいるかもしれませんよ。
「すごいですね!」を言い換える
「すごい」は、元は文語調で、心に強烈な衝撃を感じさせるようなことを指す言葉でした。ただし、現在は、様々なことが際立っている、優れているという意味で、何についても「すごい」「ヤバい(ポジティブな意味で)」と使いがちです。そんなときは、何がどうすごいのか具体的に考えた上で、より適切な言葉が使えるとよいでしょう。
たとえば、
抜群 能力・出来栄えなどについて言います。抜群の成績ですね、などと使います。
折り紙つき 折り紙は、保証書、鑑定書のこと。奉書紙を二つに折ったもの(折り紙)を、公式文書、鑑定書などに使っていましたが、そこから、鑑定結果を証明する紙がついていること、つまり、保証がついているほど確実、定評があるという意味になりました。
聡明 「聡」は耳がよく聞こえること、「明」は目がよく見えることから、頭がよく道理に通じていることを指します。判断力や洞察力に優れていることなどをほめて言います。
お目が高い 相手のセンスをほめるときの言い回しの一つが「目が高い」。鑑識眼が優れている、物事の本質・価値を見抜く力があることをほめる意味の言葉です。
大車輪の活躍ですね 素晴らしい活躍をした人をたたえる言い回し。「大車輪」には、張り切って大奮闘すること、仕事などに追われて忙しく働くことという意味があります。
まる2年、足掛け2年
「足かけ」は、年・月・日を数えるときに始めと終わりにあたる端数の年・月・日をそれぞれ一とする数え方のこと。「入社して足かけ3年になります」という場合、12 月から翌々年の1月(14 か月) のこともあれば、1月から翌々年の12 月(36 か月)のこともあります。
これに対して、「丸3年」とは3年後の同月同日になったことを示しており、「満3年」も同様の意味で使います。
朝いち
「朝いち」は、その日の朝一番に行なうこと。「朝いちで資料を提出します」「朝いちでアポイントメントを入れました」などと言いますが、具体的に意味する時間は人によって様々です。
時計メーカーのシチズンが2006 年に実施した調査によると、「朝いち」が指す時間の回答を平均すると「7時54 分」という結果が出ました。男性は8時、女性は7時48分。20代は7時36 分なのに対して、30 代は8時12 分と開きがあるのも興味深いところです。
企業によっては出社時間= 朝いちという共通認識ができている場合もありますが、取引先との間では認識が異なる可能性が大です。安易に「朝いちでそちらにおうかがいします」などと伝えるのは避け、「午前9時におうかがいします」などと時間を明確に指定するのが安全といえますね。
『大人の語彙力ノート』では、ほかにもペンディング、オルタナティブといった、よく聞くけどいまいちわからない言葉や、季節のあいさつで使えるやまとことばなども紹介しています。
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