ビジネス
2018年7月13日
ホリエモン×落合陽一が語る、これからの働き方「サッカーの監督もAIに代替される」
文・小木 由紀子(ライター)
今週末に、決勝を迎える2018 FIFAワールドカップ。
残念ながら、日本は敗戦してしまったが、一方で短期間でチームをベスト16まで引き上げた西野監督に注目していた人も多いのではないろうか。
さて、この「監督業」もAIに代えられるのかどうかにまで触れているのが、わずか1か月で20万部を突破し、上半期のビジネス書ベストセラーにも入った『10年後の仕事図鑑』(堀江貴文・落合陽一共著 SBクリエイティブ)だ。
AI、人口減、人生100年時代と世の中が大きく変革していく今、今後の生き方について考える方もいるだろう。「子どもに将来を見据えたアドバイスもできない」という親御さんの悩みも聞くことがある。
本書で堀江氏は、そんな不安も「AIに仕事を奪われても何ら問題ない」「AIに職を奪われると思っている時点で搾取される側になる」と一蹴する。そして、ニッチでもグローバルな市場を狙える今、興味のあることに没頭して「専門バカ」として強みを磨くことの希少性を話す。
一方で落合氏は、会社員的な働き方について、「会社における労働は湯婆婆(千と千尋の神隠し)に名前をとられるのに等しい」と話し、ポジションをとることの大切さを語る。
なくなる仕事・変わる仕事・生まれる仕事
すでに働いている人にとっては、その仕事が今後どうなるか、ということも気になるではないだろうか。本書では、「未来予測なんてなんの役にも立たない」としながらも、現在の職種とこれから生まれる職種を合わせて46の職現の予想される傾向を話す。
たとえば、サッカーなどのスポーツの監督。
AIは判断する機能にも長けており、ボールの支配率などのデータを利用すれば、効率的な指示出しができるかもしれない。また、選手の疲労度など見た目ではわからない点も、認識できるようになるかもしれない。モチベーションの喚起や、よりよく選手とコミュニケーションをしていくといった面は人間のほうが得意だろうが、AIと組み合わせることで、より適切な判断ができていくようになるかもしれない。
ほかにも、
・通常のエンジニアはAIに代替される可能性が大きい職種の1つ
・管理するだけの管理職はAIで十分
・イケてる職人はこの先もイケてる
など、イラスト付きで今後の働き方を具体的にイメージできる内容となっている。
また、AIだけでなく、仮想通貨、ベーシックインカム、信用経済など最近の話題も図解付きで説明があり、わかりやすくこれからの社会のキーワードについて学ぶことができる。
『10年後の仕事図鑑』の第2章「なくなる仕事・変わる仕事」では各職業ごとにイラスト付きで解説されている。このイラストは「エンジニア」
未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ
本書の感想のなかには「未来が楽しみになってきた」「勇気が出た」「自分も今すぐ行動していきたい」「子どもにも見せたい」「これからの時代に必須の本」との言葉も多い。単なる解説書としてだけでなく、二人の語る未来は、自分次第で明るく切り開いていくことができることを実感させる。
見えない将来に不安になるよりも、自分をより活かす道を進んでいく。
堀江氏が読者に問う一言が胸に刺さった。
「あなたが問うべき対象は未来でもなくほかでもない『自分』だ」
(了)
落合陽一
メディアアーティスト、博士(学際情報学/東京大学)。筑波大学准教授・学長補佐、筑波大学デジタルネイチャー推進戦略研究基盤基盤長。Pixie Dust Technologies .Inc CEO。VRコンソーシアム理事。一般社団法人未踏理事。電通ISIDメディアアルケミスト。博報堂プロダクツフェロー。1987年東京都生まれ。筑波大学メディア芸術を学び、情報学群情報メディア創成学類を卒業。大学院ではヒューマンインターフェース工学およびコンピュータグラフィクスを専攻し、東京大学学際情報学府にて博士号を取得(学際情報学府初の早期修了者)など。著書に『魔法の世紀』(Planets)、『超AI時代の生存戦略』(大和書房)、『日本再興戦略』(幻冬舎)など。
堀江貴文
1972年福岡県八女市生まれ。実業家。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者を持ち、2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」をスタート。『ゼロ』(ダイヤモンド社)40万部超、『本音で生きる』(SBクリエイティブ)30万部超などのベストセラーがある。近著に『多動力』(幻冬舎)、『好きなことだけで生きていく。』(ポプラ社)、『すべての教育は洗脳である』(光文社新書)など。
メディアアーティスト、博士(学際情報学/東京大学)。筑波大学准教授・学長補佐、筑波大学デジタルネイチャー推進戦略研究基盤基盤長。Pixie Dust Technologies .Inc CEO。VRコンソーシアム理事。一般社団法人未踏理事。電通ISIDメディアアルケミスト。博報堂プロダクツフェロー。1987年東京都生まれ。筑波大学メディア芸術を学び、情報学群情報メディア創成学類を卒業。大学院ではヒューマンインターフェース工学およびコンピュータグラフィクスを専攻し、東京大学学際情報学府にて博士号を取得(学際情報学府初の早期修了者)など。著書に『魔法の世紀』(Planets)、『超AI時代の生存戦略』(大和書房)、『日本再興戦略』(幻冬舎)など。
堀江貴文
1972年福岡県八女市生まれ。実業家。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者を持ち、2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」をスタート。『ゼロ』(ダイヤモンド社)40万部超、『本音で生きる』(SBクリエイティブ)30万部超などのベストセラーがある。近著に『多動力』(幻冬舎)、『好きなことだけで生きていく。』(ポプラ社)、『すべての教育は洗脳である』(光文社新書)など。