カルチャー
2014年9月24日
見過ごすと恐い「子どもの内斜視」
[連載] 『7日間で突然目がよくなる本』より【後編】
文・清水 真
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前回は、姿勢の悪さが目の不調、視力低下を引き起こす原因であり、ねこ背を治すことで視力が回復できることを紹介しました。今回は、近年増加している子どもの視力低下について見ていきましょう。


データから見る日本人の視力


 外国の映画やドラマなどで、日本人がステレオタイプ的に描かれる際、そのキャラクターはメガネをかけていることが多いと思いませんか。

 そんなキャラクターを見てどこか釈然としないと感じつつも、周りをよく見ると、すでにメガネをかけていたり、老眼や視力低下の悩みを口にしたりしている人は少なくないはずです。

 日本は実際に、他国と比較しても、目が悪い人が多い国です。
 4人に3人が強度近視ともいわれており、主要先進国の中でもっとも近視率が高いのが日本なのです。

 それは文部科学省が発表した、最新の学校保健統計調査(平成25年度)のデータでも裏付けされています。

学校保健統計調査(平成25年度)より ※クリックすると拡大

 まず、小学生~高校生で裸眼視力が1.0未満の生徒の割合を調べた統計です。
 平成15年と平成25年の10年間で比較すると、小学生が25.6%から30.52%に、中学生が47.8%から52.79%に、高校生が60.0%から65.84%に、それぞれ増加しています。

 ちなみに、高校生は平成22年の調査では55.64%に下がっていますが、翌年には60.93%にグッと上昇しています。

 このように、視力が低下した子どもたちの人数は、年を追うごとに増加しています。

 加えて、中高生では半数以上が視力1.0を切ってしまっているということも、看過できない事実でしょう。
 この学校保健統計調査では、親世代の子どものころとの比較も行われています。
 30年前の視力1.0未満の生徒の割合は、小学生が18.17%、中学生が35.49%、高校生が52.17%。現在に比べて、10~20%も低いものでした。

 目が悪い子どもが増えているということは、裏を返せば彼らのほとんどが、目が悪いまま大人になるということ。つまり、日本人の目はどんどん悪くなっているという調査結果が出ているともいえるわけです。

子どもの近視もねこ背の矯正でぐんぐん回復する


 私の治療院や体操教室には、近視のお子様を持った親御さんも多数来られます。
 仮に近視の原因が遺伝であるならば、この激増について説明することはできません。
 やはり原因は遺伝ではなく、生活環境によるところが大きいのだと思います。

 ひと昔前と違って、今の子どもたちは「テレビは3メートル以上、離れて見ましょう」とあまりいわれません。
 なぜならば、テレビに代わって情報収集の主役となっているパソコンやスマートフォンの場合、3メートルどころか、超至近距離で見ているからです。そもそも、スマートフォンにいたっては、寝ながらでも見られます。
 言い換えるならば、現代では、ひと昔前に設定されていた3メートルという「コンフォートゾーン」がなくなってしまったわけです。
 子どもも大人も、ひと昔前と異なり、目の使い方が大きく変わってしまいました。

 私は十数年前に、治療家の活動をスタートしました。
 当時と比べても、10代や20代の子どもたちの姿勢は、明らかに悪くなっています。

 一番の原因は、今しがたご説明したとおり、パソコンやスマートフォンの使い過ぎでしょう。

 これらを日常的に長く使い過ぎているので、前傾姿勢になり、背筋が突っ張っていて、腹筋が縮んでいる子どもがとても多い。背中が丸まっているため、背中の筋肉が伸びて、その分、お腹の筋肉が縮んでしまうわけです。

 加えて、今の子どもたちは、運動量が昔と比べて極端に減っています。実際、昔よりも3分の1しか運動していない、という発表もあるほどです。
 そのため、筋力が本来的に大変弱く、骨格を支えることができません。その結果、慢性的なねこ背になってしまうのです。

 大人と同様、こうした子どもたちに対しても、ねこ背矯正の体操や簡単な筋トレを指導することで、近視が改善した例を多数確認しています。

 以前から当院に来られているSさんの娘さん(7歳)は、今年に入って、視力が急激に低下しました。
 検査を受けたところ右が0.2、左が0.6。医師から「メガネをかける段階ではないが、文字が見えないなら必要かもしれない」と言われました。

 メガネをかけると学校で目立つらしく、娘さんは抵抗を感じていたので、お母様が私に相談されました。
 そこで、娘さんにねこ背矯正や目の筋トレを行ってもらうように伝えました。

 その結果、わずか1週間ほどで、右が1.0、左が1.2まで大回復。
 文字が見えやすくなって、授業にも集中できている、とお母様から聞いています。

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7日間で突然目がよくなる本
1日5分!姿勢からアプローチする視力回復法
清水 真 著



【著者】清水 真(しみず まこと)
1973年北海道生まれ。(株)NaturalHands。一般社団法人姿勢道普及協会理事長。姿勢教育指導士、日本スポーツクラブ協会認定マスターインストラクター、中高老年期運動指導師。2001年より北海道札幌市内を中心に整体院、整骨院、鍼灸院を展開。「姿勢の専門家」として過去12万人の姿勢矯正を行ってきた経験から、姿勢の悪さと視力、痛み、肥満など身体的な不調、また自律神経失調症など精神的な症状との関連を実感。講演活動や各種セミナー、テレビ、ラジオ等を通じて「姿勢の大切さ」の啓蒙にあたっている。著書に『ねこ背は「10秒」で治る!身長が伸びる、やせる! 背伸ばし体操』『大人でも身長が伸びる!やせる! 背伸ばし体操』(共に講談社)がある。