スキルアップ
2015年1月14日
2015年のドル円相場を占う――2017年まで円安傾向、165円まで円安は進む
[連載] 黄金の扉を開く賢者の海外FX投資術【2】
文・榊原卓丸
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 連載1回目となる前回、円安ドル高の要因として4つのポイントをあげました。

(1)GPIFの運用比率変更
(2)日本の量的緩和
(3)日米金利差
(4)個人金融資産の海外へ移転

 (1)については連載1回目で説明したので、今回は(2)~(4)のポイントを解説していきます。

量的緩和で円安が進む――安倍政権下では金融緩和が続く可能性大


 日本では日銀による量的緩和が続いています。
 具体的には日銀がマネタリーベース(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」)を年間80兆円規模で増やすとしています。
 マネタリーベースを増やすことでインフレ期待を高めデフレ脱却を目指しています。

【参考】日本銀行「金融政策運営の枠組みのもとでの「物価安定の目標」について」
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/k141031a.pdf

 金融緩和によりマネタリーベースは増加していますが、実際には消費増税の影響を除いた実質でみると消費者物価指数の上昇率は+0.7%であり、原油価格の下落による今後の物価押し下げの影響を考えると現実的に2%達成は困難です。

 金融緩和は「アベノミクス第一の矢」であり、アベノミクスの象徴です。
「どう頑張っても消費者物価2%目標は無理です」とか、「賃金上昇が思ったほど浸透しないので、やっぱりデフレに方針転換します」などと言えるはずがありません。
 つまり安倍政権が続くであろう2018年9月までは、金融緩和が続く可能性が極めて高いのです。

 日銀の黒田総裁は「必要になれば、躊躇なく調整を行う」と明言していますので、2015年中に再度の追加緩和があるものと想定されます。

 基本的に金融緩和は通貨安につながります。金融緩和でなぜ通貨安になるかを、株式投資を例に説明してみます。

 株をやったことがある人なら1株利益という言葉を聞いたことがあると思います。
 1株利益が増加すれば株価は上がります。もし利益が増えないのに発行株数が増加すれば1株利益は下がるので通常株価は下がります。

 為替の場合も同じ考え方です。
 日本の価値が増えないのに通貨の発行量だけが増えるなら1円当たりの円の価値は下がる。つまり円安ということです。

 なお日本の2015年度一般会計予算案は13.4兆円の赤字の見込みです。こうした状況で日銀が国債買い入れを増やし続けているので、実質的には「財政ファイナンス※」ではないかとの見方も出ています。
 財政ファイナンスは通貨安要因であり、場合によっては通貨の急落を招きます。もっとも日本の場合は対外純資産が340兆円もあるため、円安になれば円ベースでの含み益が増えることから通貨暴落の可能性はないと考えます。
 ただ円安要因であることは間違いありません。

※財政ファイナンス:政府の発行した国債等を中央銀行(日本では、日本銀行)が引き受けること。

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黄金の扉を開く 賢者の海外FX投資術
榊原卓丸 著



【著者】榊原卓丸(さかきばらたくまる)
2014年に世界的に有名なリアルマネーによるトレードコンテスト2014 World Cup Championship of Forex Trading(米国Robbins Trading Company主催) にて準優勝を達成。
http://www.worldcupchampionships.com/live-stats-3

1977年生まれ。大分県出身。関西学院大学卒業後、新光証券(現みずほ証券)を経て、株式会社ディーネット代表取締役として著名投資家の資産運用業務を担当。ファンド関係者など様々な業界人脈を築く。同社代表取締役を辞任後、三京証券株式会社にて日経225先物、日本株のディーリングを行う。現在はTrade Tools株式会社代表取締役。FX、日経225先物、株式等で国内・海外の大口投資家へ助言を行うほか、自動売買システムの企画・開発を行う。著書に、『卓丸の1日5分から始める日経225mini』『ほったらかしでも月100万儲かるFX自動売買』(かんき出版)、『株で儲けるためのNISA徹底活用術』(自由国民社)、『黄金の扉を開く 賢者の海外FX投資術』(SBクリエイティブ)がある。