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2015年9月16日
湯煙の町にロボットがやってきた!(1)~城崎温泉pepperプロジェクト~
[連載] 湯煙の町にロボットがやってきた!【1】
文・三津田治夫
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兵庫県の、コウノトリ但馬空港(写真提供:兵庫県豊岡市)

 空港を降りるとロボットpepperがお出迎えしてくれ、旅先に向かうと古風な温泉旅館で来客をフランス語や中国語でお出迎えしてくれる。それが心のこもった、受け手の心に届く言葉や振る舞いで対応してくれたら、人はどう感じるだろうか。
 ロボットが観光地のコンシェルジュになることで町おこしに貢献できるかもしれない。
 そこで誕生したのが、2015年9月14日に兵庫県豊岡市が発表した、城崎温泉で行われるpepperプロジェクトだ。

 ロボットが「心」を持つとは、日本人にはなじみの深い鉄腕アトム以来の考えであるが、そんなことが現実の世界で果たしてできるのか。それを東京藝大が実現しようとしている。そして、それに使うロボットがソフトバンクロボティクスが提供するpepper(ペッパー)であり、人との心の通いが行われる場が城崎温泉である。

なぜ温泉にpepperが?


城崎温泉の夜(写真提供:兵庫県豊岡市)

 そもそも、pepperが導入される場所がなぜ城崎温泉なのか?
 まず一つは、城崎温泉はそもそも芸術家を支援したいという意識が高い町だ。古くは志賀直哉の小説『城の崎にて』の舞台になることで町が活性化したように、芸術との親和性が高く、芸術とともに育ってきた町だともいえる。そこにできたのが、世界中の劇作家や演出家、俳優が集まり創作・表現を行う施設、城崎国際アートセンター。その芸術監督が、演出家・劇作家であり東京藝大特任教授の平田オリザ氏である。

ソフトバンクロボティクスのロボット「pepper」(ペッパー)

 平田オリザ氏はかつて、大阪大学でも教員を務めており、そこでロボット工学者の石黒浩教授と共同で、人間とうり二つのロボットを俳優に使った「アンドロイド演劇」を開発、演出、上演していた。そんな経緯からも、ロボットの演じる舞台を創作の場から現実社会へと移し、より多くの人とロボットが接触することで新しいなにかが生まれる、という発想が生まれた。そこから、城崎温泉のある豊岡市と平田オリザ氏が属する東京藝大が手を組み、pepperプロジェクトが始動した。

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Pepperプログラミング
基本動作からアプリの企画・演出まで
ソフトバンクロボティクス 村山 龍太郎 + 谷沢 智史、西村 一彦 著