スキルアップ
2013年12月13日
身になる! 仕事がはかどる! 本の内容を忘れない読書術の極意とは
『一瞬で人生が変わる!アウトプット速読法 』より
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読書の価値は、行動するかどうかにかかっている


 私は、自分が「なるほど」と思ったことを、何らかの形で、自分の人生の中で行動として表すように心がけています。

『断捨離のすすめ』(川畑のぶこ著、やましたひでこ監修、同文館出版)という本がブームになりました。部屋にある「いらないもの」を捨てようという内容で、本としてはそれで終わりです。

 もちろん、いままでも掃除はある程度していましたし、「いらないものを全部捨てたら人生がよくなる」という考え方は読まなくてもわかります。

 しかし、その本を読んでいるときに、はたと考えました。

 そこには、「もし今日あなたが死んだら、あなたの部屋にあるものはゴミではありませんか」と書いてあったからです。

 そのとき私は、「もし自分が死んだら、ここにあるものはみんなゴミだ。自分はそんなに大切とは思っていないものに埋め尽くされている」と気がつきました。それで、部屋中を断捨離したのです。

 自分の部屋だけでも2週間くらいかかりました。終わると心がスキッとして、やってよかったなと思いました。

 そのあとにどんな変化が起こったかというと、以前は義務感で掃除をしたり、「部屋はきれいにしないと駄目だ」と思い込んでいたのですが、断捨離をしてからは、「掃除が好き」になっていました。

 朝の犬の散歩から帰ると、家の前と部屋の中を掃除してピカピカにすることが、「ご飯を食べたい」と思うのと同じレベルの欲求になっていました。

 このように、私は本を読んだあと、できるかぎり物事を自分で試すようにしています。

 それがたとえ、かりそめのものであったとしても、そこで何かアクションを起こして、何かをひとつ味わってみることです。

「1週間であなたの人生が変わる」とか、「3分で奇跡が起こる」「これであなたも億万長者」「これであなたに幸運が起こる」といった本が山のようにあります。

 趣味として読んでいるのであれば別にかまいませんが、もしも本当に、「人生を変えたい」という意識や願望があるのなら、何かひとつでいいので、そこから何かを感じて、何かの行動に結びつけてみる。そうすることで、本がその人の中で生きてきます。

 どんな本でもいいし、「やったけれどもうまくいかなかった」でもいいと思います。うまくいかないなら、いかないなりに、ひとつの結果を自分できちんと味わうことができるからです。

 必ず1冊から自分の気づきと変化を「行動」として起こしてください。それが自分の中の大きな違いに結びついてくると思います。

「アウトプット」を前提に本を読んで、人に話し、実体験をして、その結果を振り返る......。そうすれば本は活かされ、あなたの「目標達成」の助力となるはずです。

(了)


一瞬で人生が変わる!アウトプット速読法
小田全宏 著



【著者】小田全宏(おだ ぜんこう)
1958年滋賀県彦根市生まれ。東京大学法学部卒業後、(財)松下政経塾入塾。松下幸之助翁指導のもと、人間教育を研究。その後、松下幸之助翁の人間観と陽転思考を基本とした人間教育活動を開始。1991年、(株)ルネッサンス・ユニバーシティを設立。多くの企業で「陽転思考」を中心とした講演と人材教育実践活動を行っている。2008年には、人間が持つ本来の能力(脳力)を最大限にまで引き出すことを理念とする、アクティブ・ブレイン協会を設立。全国で開催する「アクティブ・ブレインセミナー」では、自身も講師として読書法、記憶術、英単語、学習法などを指導、数多くの受講者から熱烈な支持を得ている。著書に『松下幸之助翁82の教え』(小学館文庫)、『1分間松下幸之助』(SBクリエイティブ)、『【図解】「絶対記憶」メソッド』(PHP研究所)、『陽転思考』『新・陽転思考』(共に日本コンサルタントグループ)など多数。
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