ビジネス
2014年4月22日
マッキンゼー流・論理思考──頭がいいのに仕事もプライベートも「うまくいかない」人がいるワケ
『マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書』より
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女性が喜ぶプレゼントの落とし穴!?


 結婚3年目を迎える共働き30代のKさん夫婦。

 広告会社で営業をしている旦那さんのKさんは、ここのところ仕事が忙しく、帰宅はだいたい深夜になっていました。

(そういえば、もうすぐ結婚記念日か......)

 終電に乗りながら、スマートフォンで《女性が喜ぶプレゼントランキング》というネットの記事を眺めていたKさん。女性が喜ぶプレゼントの1位にアクセサリーがランキングされているのを見ながら、ふと自分の奥さんのことを思い浮かべました。

 そして、翌日。仕事の打ち合わせの帰りにジュエリーショップに立ち寄り、奥さんのために、かわいいネックレスを買ったのです。

(最近、一緒に買い物にも行ってなかったからビックリするだろうな)

 結婚記念日の夜。その日も終電ぎりぎりで帰宅したKさんは、奥さんの喜ぶ顔を想像しながらサプライズでネックレスの箱を手渡しました。

 すると──。

 奥さんは「ありがとう」とは言ってくれたものの、Kさんの予想に反して、それほど嬉しそうな様子ではありません。

 いったい、なぜ?

 皆さんも、こんな経験があるのではないでしょうか。

 相手のために良かれと思ってしたことや、言ったことが、なぜか受け入れられない。決して間違ってはいないはずなのに、伝わらなくて悔しい思いをする。

 それどころか「本当に、ちゃんとわかってる?」と相手から不安に思われてしまったり......。

 どうすれば、自分がいいと思ったことがちゃんと相手にも受け入れてもらえるようになるのでしょうか。

 じつは、この数週間前、少しだけいつもより早く帰宅できたときに、Kさんの奥さんはKさんに、ファッション情報のサイトを見せながら、ちょっと目を輝かせてこんなことも言っていたのです。

「ねえ、このネックレス良くない?」

 このことを覚えていたKさんは、余計に、奥さんはほしがっていたネックレスをサプライズでもらってきっと喜んでくれるだろうと期待したわけです。

「アクセサリーは女性が喜ぶプレゼントランキング上位だ」 → 「奥さんがネックレスをネットでチェックしていた」 → 「結婚記念日にサプライズでプレゼントしよう」

 きっとKさんは、こんな思考を働かせて奥さんを喜ばせたいと思ったわけです。

 たしかにアクセサリーが好きな女性は多いでしょう。キラキラしたものを見れば目も輝きます。Kさんの奥さんだってネットで見ていたネックレスが気になっていたのは事実ですが、それ以上にとても気になっていたのは「旦那さんのこと」だったとしたらどうでしょう。

 本当は、最近Kさんが忙しすぎて、なかなかふたりの時間が取れないから、結婚記念日には奥さんはふたりで話がしたかった。その"きっかけ"がネックレスの話題だったのかもしれません。お互い忙しい毎日で、いつもより早く帰宅したKさんと話ができる時間が嬉しくて、結婚記念日も、少し早く帰ってきてくれるかもしれないと密かに期待していた......。

 でも、実際はいつものように時間が過ぎていってしまった。もし、それが事実であれば、「《女性が喜ぶプレゼントランキング》1位のアクセサリーをサプライズで渡したら、奥さんが喜ぶ」という論理展開は成り立っていなかったことになります。

 では、Kさんの場合の"正解"は、なんだったのでしょうか。



マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書
大嶋祥誉 著



【著者】大嶋祥誉(おおしま さちよ)
センジュヒューマンデザインワークス代表取締役。エグゼクティブ・コーチ、組織開発・人材育成コンサルタント。上智大学外国語学部卒業。米国デューク大学Fuqua School of Business MBA取得。米国シカゴ大学大学院人文科学学科修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーでは、新規事業のフィージビリティスタディ、全社戦略立案、営業戦略立案などのコンサルティングプロジェクトに従事。その後、ウイリアム・エム・マーサー、ワトソンワイアット、グローバル・ベンチャー・キャピタル、三和総合研究所にて、経営戦略や人材マネジメントへのコンサルティングおよびベンチャー企業支援に携わる。2002年より独立し、エグゼクティブ・コーチング、組織変革コンサルティング、チームビルディングやリーダー開発に従事する。著書に『マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書』『マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書』(SBクリエイティブ)がある。
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