成功者に共通する4つの意識

　当時、わたしが働いていた会社は変革期にあって、社員はひとつの業務だけではなく、部署をまたいで複数のタスクをこなすことを求められていました。わたし自身もそんなゆるいポジションにいたがゆえに、あちこち外へ連れ出されては、他社の経営者と会合、会食をする機会が多くありました。全国に支社を持ちテレビCMも流しているA社、一部上場の際には新聞の朝刊に一面広告を出したB社などにもちょくちょく顔を出し、いつも間近に成功者がいる環境で仕事をしていたのですが、その中で気づいたのは、成功している人たちに共通する意識でした。

（1）前向き
（2）子供のような無邪気さ
（3）強い信念を持っている
（4）明確なビジョンを描いている

成功者には、このような4つの共通点があったのです。

（1）前向き

　成功者が前向きであることは、すぐに想像できると思います。成功者に後ろ向きの考えを持っている人はまずいません。成功者たちは、たとえ困難な状況に差し掛かっても、クヨクヨしたり、落ち込みません。「そうなったなら仕方がない」とすぐに気分を転換します。こうすることで、思いのエネルギーを有効に使うことができるのです。人はつい、自分を責めることでエネルギーをすり減らしたりしがちですが、成功者たちは、思いの方向を切り替えることで、ポジティブに意識を持っていくことができるのです。

（2）子供のような無邪気さ

　成功者は、子供のような感性を持っています。「さあ、世の中にどんなものを提供したら、自分も皆も楽しめるだろう。誰もやっていないことができたらワクワクするなぁ」と、ビジネスという土俵の上で、いわば実験をしています。トップに立つ人ほど思考であれこれとこねくり回すことはなく、むしろ柔軟に物事をとらえています。その中身は"感性・感覚"を十分に活かしているということ。「失敗したらどうする」と躊躇する前に、どうせやるなら楽しいことをやろうといった"遊び心"があるのです。この感性・感覚を使ってワクワクするということは、引き寄せのエネルギーの燃料となります。

（3）強い信念を持っている

　成功者は常に強い信念を持っています。「信念」を言い替えると、「自分が思うことは、自分にとって正しいと思える」ということ。それは社会通念や他人の意見に沿った正しさではありません。あくまでも自分の中の正しさ。自分軸とも言ったりしますが、「これをすることが、自分にとって善だ」という信頼感です。ポジティブシンキング、プラス思考などとも言い換えられますが、要するにそれもすべて"思いの力"。絶対的な「自分を信じる」力は、大きな波動となって、周囲に広がっていきます。

（4）明確なビジョンを描いている

　「こうすることが自分にとって正しい」となったら、もうそのビジョンは、成功者の頭の中で確実に存在しています。まだ実現されていないものを、イメージで先に"見て"いるのです。そのビジョンはとても鮮明です。頭の中では、ある意味そこにもう現実化しているので、明確に見ることができるのです。成功者が想像力豊かなのは、日頃からイメージで遊んだり、ビジョンをしっかり描くことを、自然にやっているからなのです。このように、「まだない」ものを、頭の中で「ある」ようにしっかりイメージして見ながらワクワクすることで、現実化が起こしやすくなるのです。