スキルアップ
2014年9月16日
サクッとわかるフレームワーク[3]
KJ法とマインドマップ
[連載] 知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク【3】
文・永田豊志
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脳内地図をグラフィック化する話題の発想法──マインドマップ


 マインドマップは、表現したいコンセプトの中心となるキーワードを全体図の中央に置いて、そこから放射状にキーワードやイメージをつなげていくことで、アイデアや発想を発展させていく図解表現方法です。トニー・ブザンが提唱し、今ではビジネス以外の用途でも広く使われています。本来は紙にペンで描くものですが、PCやタブレットで使えるアプリもあります。

●脳の意味ネットワークを模した構造

 マインドマップを使えば、複雑な構造を持つ情報も端的に表現でき、なおかつ早く理解できるとされています。これは、人間の脳の意味ネットワークと呼ばれる記憶の構造に似ているからだ、といわれています。あのビル・ゲイツも、次世代の発想ツールとして注目していたそうです。

 マインドマップの特徴は以下のようなものです。

・中心から放射状に項目を書き連ねるので、アイデアを発展させやすい。
・新商品の企画、ブレストのアイデアメモ、経営課題の抽出、やることリストなど非常に応用範囲が広く、使いやすい。
・写真、イラスト、アイコンなどを交えて構成するため、より感覚的に理解でき、記憶に残りやすい。
・全体を俯瞰しやすく、項目ごとの関連性が見える。

●ロジックツリーとの違いは?

 中央から放射状に発展させているマインドマップですが、ピラミッド型に並べれば、ロジックツリーのように見えるでしょう。しかし、ロジックツリーと根本的に違うのは、MECE(モレやダブりのないこと)をあまり厳密に行う必要がないことです。マインドマップは、1つの項目から自由な発想で発展させることが重要なのです。あまり、MECEや項目のレベル合わせに注意を払うと自由度が妨げられます。モレやダブりは、後からいくらでも修正可能(離れた項目を矢印でつなぐ、など)なので、気楽に進めていいのです。筆者も、『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』の企画や新商品のアイデア展開には、マインドマップを使っています。使い始めるとやめられない面白さが、これにはあります。

※クリックすると拡大


●マインドマップの描き方例

1)マインドマップのテーマ(アイデアの源、課題など)を決め、中央に配置します。手描きであれば、印象や記憶の定着を高めるために、イラストをつけたり、修飾をして強調するのもよいでしょう。

2)中心のテーマ(親トピック)から枝をつけて、関連するトピック(子のトピック)を配置します。中心に近いほど、枝は太く力強いものにします。

3)子のトピックからさらに、子のトピックをつなげたり、並列する兄弟トピックを追加していきます。

4)トピック間にアイコンやキーワードを配置したり、枝の色を変えて、カラフルに楽しみながら描いていきます。

5)後からグループ化できそうなものは、全体を雲上の線で囲んだり、離れたトピック間でも関連しそうなものは、矢印などでつなげていきます。

6)出来上がったものを全体的に俯瞰してみましょう。トピックをまとめたり、さらに精巧なものにするため、トピックを追加していったりします。

(了)





知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100
永田豊志 著



【著者】永田豊志 (ながた とよし)
新規事業プロデューサー、株式会社ショーケース・ティービー最高執行責任者。 リクルートで新規事業開発を担当し、そのままメディアファクトリーで漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。



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