カルチャー
2017年11月7日
"恋愛事件"で身を滅ぼさないために知っておきたい「大人の男の気遣い術」
『大人の男の気遣い』より
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相手にも期待しすぎないこと


 期待したことが上手くいかなかったり、裏切られたときのことを想定もせずに信じ切る―――その絆に全体重を預けること自体がトラブルの火種を生む。

 恋愛とて同じこと。100%愛しあっていても、相手の気持ちが変わった時の想定を持つべきである。女性に対して裏切りの余地も視野にいれつつ、それもまたストーリーの一幕と割り切り、恋をはじめる。

 そうかといって、誰も信用せず、友情や愛を向けることもなく、冷め切った気持ちで他者と触れ合うのがよいと言っているわけではない。こんどはそちらへ振り切ると、人生は砂漠のような不毛地帯となる。

「もう誰も信じない。彼女に裏切られてから人は信用しないことにしている」

 そんなふうに心を閉ざす人に遭遇する。あるいは友人に裏切られて「友達なんかいらない」という人もいる。心変わり、裏切り、あるいは相手が約束通りに動いてくれないことで大きなショックを1度や2度うけたからといって完全に心を閉ざし、人に期待しないのはこれまた不毛、人間関係から得られる恵みを一生分放棄するようなものである。

自分からフられてあげるべし


 究極の自由恋愛者は、実は自分から女性をフらない。むしろ一定期間の関係を楽しんだ後にフられまくる。だからトラブルが少ない。トラブルが少ないから、彼らの進撃はますます止まらない。

 さまざまな場所でメイクラブし、楽しい時間と思い出を提供する。そして頃合いの良い上手に"フらせる"のである。

 フッた側の女性に"名残惜しさ"を感じさせがらフらせるから、そのまま「大人の友達」になる。

 ある50代後半のメガバンク勤務の男性は、地方支店の秘書とかたっぱしから"良い仲"になる。地方出張のたびにメイクラブをライフワークとしている。

 しかし、頃合いのよいところで綺麗にフラれてあげるのだそうだ。既婚者であること、さらにはコンプライアンが厳しい企業体ということで、公になるわけにはいかない。お相手の女性は30代までの独身女性だという。

 もうすでに60歳が見えてくる年齢だというのに、今でもお盛んなのだそうだ。

 そして奥様とも関係は良好で、とても愛妻家だという。

 フるという権利を女性に与えることで、女性の自尊心を傷つけない―――これがこの方のポリシーなのである。

 さあ、どうだろう?

 熱くなってしまうと気付かなかったり、あるいは自分本位になってしまいがちである。しかし相手もあなたと同じ生身の人間だ。

 大切にされていないと感じた瞬間に敵意をむき出しにする可能性は十分あるのだ。もっともっと伝えたいことはあるが、今回はここまでにしておきたい。

 あなたの恋がこの先もロマンに満ちた展開であることを祈りながら!

(了)


大人の男の気遣い
潮凪 洋介 著



潮凪 洋介(しおなぎ ようすけ)
エッセイスト・講演家。株式会社ハートランド代表取締役。 1970年生まれ。「人生・仕事・恋愛」という3つの視点から「自分流人生の作り方アドバイス」を行なっている。また、「仕事だけの人生ではなく、人生そのものをもっと楽しむ! 」をモットーに講演活動を展開する傍ら、本当にやりたいことを見つけ、それを会社外で実現する「潮凪洋介の自由人生塾」、エッセイスト養成・出版プロデュース機関「潮凪道場」を運営している。主な著書に、「いい人」シリーズ累計20万部超の『もう「いい人」になるのはやめなさい! 』『それでも「いい人」を続けますか?』(ともにKADOKAWA)、『「男の色気」のつくり方』(あさ出版)、『「バカになれる男」の魅力』(三笠書房)などがある。
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