スキルアップ
2017年8月9日
ハーバードの学生は10冊しか本を読まない?
文・鳩山 玲人
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「仕事ができる人」や「生産性が高い人」は、本を大量に読んでいると思うだろうが、実はそんなことはない。サンリオで海外事業を拡大し、DeNA、LINE、ピジョン、トランスコスモスの社外取締役を歴任した鳩山玲人氏は、ハーバード・ビジネススクールに留学し、現在もスタンフォードの客員研究員を務めた印象から、「世界トップのビジネススクールでもほとんど本を読まない」と断言する。読書を結果につなげるためには、どんな読み方をすればいいのか? そこには何か秘密があるのか? 最近『世界のエリートは10冊しか本を読まない』を執筆した鳩山玲人氏に、ハーバードで学び、自らも実践する、ビジネスで本当に使える本の読み方を語ってもらった。


結果を出す人は本のどこに注目しているのか


 私が、ハーバード・ビジネススクール(以下、HBS)に留学したのは、2006年のことです。
 青山学院大学を卒業後、三菱商事に入社し、エイベックスやローソンなどのメディア・コンテンツビジネスに携わったあと、マネジメントやファイナンスに関する知識を身につけるために渡米しました。

 正直に打ち明けると、留学前の私は不安もありました。HBSの勉強は、とても厳しいことで有名だからです。毎年必ず、成績下位、数パーセントが強制的に退学を余儀なくされます。圧倒的な量の勉強をこなしていく2年間に、はたして勝ち残れるか...。私は、危機感から、入学前に、HBSの有名教授たちが書いた本の日本語版をごっそり購入して留学に臨みました。

 しかし結局、これらの本を留学時代に読むことは、ほぼありませんでした。なぜなら、世界のエリートが集まるハーバードでは、皆、本をほとんど読んでいなかったからです。

 一言でいうならば、エリートと呼ばれるビジネスパーソンたちの目的は「本を読むこと」ではなかったからです。
 彼らの目的とは何か。それは、

・ビジネスで桁外れの結果を出すこと
・目の前の課題を解決すること

 ハーバードの学生は、ケース(企業の事例)を読みながら、常にこのような自問自答を行います。

「自分が登場人物の立場だとすれば、どう判断し、実行に移すだろうか」

 アメリカでは、小学校や中学校でも、当事者の立場に立って考える機会に恵まれています。たとえば、日本とアメリカの小・中学校では、国語の指導法が違います。日本の国語教育で求められているのは、文意を正しく理解することです。
 国語のテストでは、

「長文を読ませて、本文を要約させる」
「下線部の『それ』が何を指しているかを答えさせる」

など、文章の意味を問う問題が出されます。

 一方、アメリカの国語教育では、文章の理解や解釈よりも、

「あなたがこの物語の主人公だとしたら、どう考え、どう行動するのか」

をロジカルかつクリエイティブに考えることが問われます。文意を正しく解釈することは、それほど重要ではない。アメリカでは、知識を覚えることよりも、子供が自分の考えを表現することを大切にしているのです。

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世界のエリートは10冊しか本を読まない
鳩山 玲人 著



鳩山玲人(はとやま・れひと)
1974年生まれ。鳩山総合研究所 代表取締役。スタンフォード大学客員研究員。元サンリオ常務取締役。 青山学院大学を卒業後、三菱商事に入社。エイベックスやローソンでエンタテインメント事業に従事。2008年にハーバード・ビジネススクールでMBAを取得。同年、サンリオに入社。サンリオで海外事業を拡大し、サンリオ メディア&ピクチャーズ・エンターテインメントのCEOとして映画事業にも従事し、2016年6月に退任。DeNA、LINE、ピジョン、トランスコスモスの社外取締役を歴任。現在、シリコンバレーのベンチャーキャピタルであるSOZO VENTURESのベンチャーパートナーや、Youtuberを束ねるUUUMのアドバイザーも務めている。米国経済誌「Business Insider」より、フェイスブックのシェリル・サンドバーグや政治家のミット・ロムニーと並んで「ハーバード・ビジネススクールの最も成功した卒業生31人」にも選出される。シリコンバレーにあるベンチャーキャピタリストの核にある先鋭組織、Kauffman Fellowsメンバー。 著書に『桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか』(幻冬舎)、 『ブロックバスター戦略』(監訳・解説/東洋経済新報社)、『世界の壁は高くない』(廣済堂出版)、『世界のエリートがやっている どこでも通用する実力がつく仕事筋トレーニング』(サンマーク出版)がある。