ビジネス
2013年11月22日
ウザい上司や同僚をサラリとかわす『いなし言葉』のサ行五段活用
『ウザい相手をサラリとかわす技術』より
サ行の「いなし言葉」を活用しよう!
インターネットを利用した市場調査で知られるインターワイヤードが実施した調査で、「面倒くさいと思う相手」について尋ねたところ、「配偶者・パートナー 25.3%」「職場の上司 21.2%」「職場の同僚 15.5%」と、いずれも毎日顔を合わせる身近な人間が上位を占めました。
一緒にいる時間が長い分、相手の嫌な部分が目につき、わずらわしさを感じてしまうのです。
この調査では、「どんな人が『面倒くさい』と思われるか?」という設問もあるのですが、上位には「自己中心的な人」「話が通じない人」「話が長い人」「何度も同じ話を繰り返す人」、そして「自慢話ばかりする人」が並びました。
どれも容易に想像できる調査結果ですが、これらの数字からは、ベッタリな関係ほど、ウザいという思いが生じやすいことがわかります。そして身近な存在だからといって相手の気持ちに配慮することなく話し、その内容が噛み合わなければ、相手の心象はかなり悪くなることもわかるはずです。
人間関係とは、相手と自分の間に存在する「土俵」のようなもの。言い換えれば、自分と相手が共存する舞台です。
また、コミュニケーションとは、相手と自分の双方が、言葉というツールを通じて一時的に共通の舞台に上がり、わかり合おうとする機会ととらえるべきです。
「土俵」や舞台である以上、どちらかが一方的に攻める、つまりしゃべりまくるという姿勢はあり得ません。
たとえ身近な間柄であっても、相手の気持ちやコンディションに一定の気配りがなければ、あなた自身がウザいと思われてしまうので留意しましょう。
ニフティのアンケートサイト「何でも調査団」の調査によれば、「人間関係を円滑にするポイント」として、「約束を守る」「悪口、陰口を言わない」「相手の立場に立つ」「心を広く、穏やかに接する」をはじめ、「自己主張を控えめにする」や「相手に興味を持つ」などの回答が10位以内を占めましたが、これらは、あらためて心に留めておきたい最低限のルールといえます。
では逆に、ウザい相手から「土俵」の上で一方的に攻め込まれたらどうすればいいのでしょうか。
相撲でたとえれば適度にいなすことです。筆者は相手をさりげなくいなすとき、次のような言葉を使うようにしています。
◎さすがですね
◎信じられません
◎すごいですね(もしくは、「すばらしい!」「すてきですね」)
◎せっかく○○したのに、残念でしたね
◎そうですね(肯定したくない場合は、「そうでしたか」)
これらのサ行(さしすせそ)で始まるフレーズは、相手を乗せる言葉です。しかも、そこで話を打ち切ることができるフレーズでもあります。
相手が過去の自慢話をしてきた場合は「さすがですね」、休日、ゴルフで好スコアを出した話ばかりしているときは「すごいですね」など、サ行で始まる相づちと笑顔で応対し、緩やかにその場から立ち去るようにすればよいのです。
相手を気分よくさせてフェードアウト(だんだん消えていくこと)するなら、その後、気まずくなることはありません。
相手も誰かに聞いてほしくて話しているのだと鷹揚に構え、その気分を害さないよう、かといって貴重な時間を一方的な会話で奪われないよう、サ行で始まる「いなし言葉」と笑顔で、相手からの言葉の突進を柳に風と受け流すようにしたいものです。
【著者】清水 克彦(しみず かつひこ)
1962年愛媛県生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、国会・首相官邸キャップ、キャスター、情報ワイド番組プロデューサーを歴任。現在は、報道デスクの傍ら、育英短期大学講師、南海放送「木藤たかおの日曜プレスクラブ」コメンテーターとしても活動中。著書に、『ウザい相手をサラリとかわす技術』『人生、勝負は40歳から!』(共にSB新書)、『頭のいい子が育つパパの習慣』(PHP文庫)など多数ある。
1962年愛媛県生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、国会・首相官邸キャップ、キャスター、情報ワイド番組プロデューサーを歴任。現在は、報道デスクの傍ら、育英短期大学講師、南海放送「木藤たかおの日曜プレスクラブ」コメンテーターとしても活動中。著書に、『ウザい相手をサラリとかわす技術』『人生、勝負は40歳から!』(共にSB新書)、『頭のいい子が育つパパの習慣』(PHP文庫)など多数ある。