ビジネス
2014年1月28日
役立たずの「やることリスト」使ってませんか?
[連載] ワン・シング ~一点集中がもたらす驚きの効果【1】
『ワン・シング』より
  • はてなブックマークに追加

「やることリスト」を「成功リスト」に変える


優先順位を決めれば、やることリストは「成功リスト」になる! ※クリックすると拡大

 やるべきことを挙げた「やることリスト」は、時間管理と成功の定番だ。私たちは次々に出てくる自分の願望や他人の要望をメモする。スケジュール管理ソフトは、一日、一週間、そして一カ月の仕事のリストをつくってくれる。

 そうしてできたやることリストは、用件一覧としては有用だが、一方で、大して重要でないものも含め、そこに挙げられた項目はすべてやらなければという義務感に私たちを駆り立て、毎日はそれに支配されてしまう。

 成功者のやり方は違う。彼らは本質を見抜く目を持っている。ある程度時間をかけて何が重要かを見きわめ、その重要なことを軸に一日を進めていく。成功者は他の人が後回しにすることを先にやり、他の人がまずやろうとすることを後に回す。成功者ははっきりした優先順位にもとづいて働くのだ。

 やることリストは単なる一覧表で、そこには成功しようという意図が欠けている。人生で成功を収められるように、毎日を次への足がかりにするものではない。やることリストを消化することに時間を費やすのは芳しいことではないし、成功にもつながらない。必要なのは、やることリストではなく成功のリスト、目覚ましい成果を目的としてつくられたリストである。

 やることリストは長くなりがちだが、成功のリストは短い。前者は私たちをあらゆる方向に引っぱり、後者は一つの方向に向ける。一方はまとまりのない一覧表で、他方は整理された指示書だ。成功を目的としてつくられたリストでなければ、私たちを成功に導いてはくれない。

★重要な考え
1.的をしぼる──せっせと仕事をすることを重視してはいけない。成果をあげることを重視しなければならない。最も重要なことを中心に一日を進めよう。
2.突き詰める──ひとたび何が重要かがわかったら、その中でもどれが最も重要かを問いつづけ、最後の一つになるまで突き詰めよう。その活動が成功のリストの一番上にくる。
3.ノーと言う──「あとにしてくれ」「お断りだ」─言い方はどうあれ、ポイントは、最も重要な仕事を終えるまでは、他のどんなことにも「いまはダメ!」と宣言することだ。
4.リストに"済み"の印をつけるゲームにはまってはいけない──物事が等しく重要なのではないなら、それを踏まえて行動しなければならない。すべてを処理し、リストに"済み"の印をつけていくことが成功につながる、という考えにとらわれてはいけない。

(第1回・了)





ワン・シング
一点集中がもたらす驚きの効果
ゲアリー・ケラー/ジェイ・パパザン 著  門田美鈴 訳



【著者】ゲアリー・ケラー
ケラー・ウィリアムズ不動産共同設立者・会長。テキサス州オースティンの一部屋で立ち上げた同社を一代で全米最大の不動産会社にまで育て上げる。現在はビジネス・コーチとしても活躍。権威あるアーンスト・アンド・ヤングの「アントレプレナー・オブ・ザ・ イヤー」にも選ばれている。「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラーを獲得した著書「The Millionair Real Estate」シリーズは、累計で130万部超を売り上げている。

【著者】ジェイ・パパザン
米大手出版社ハーパーコリンズを経て、ケラー・ウィリアムズ社出版部門の統括責任者として、ケラーの多くの著書に共同執筆者として関わっている。

【訳者】門田美鈴(かどた みすず)
翻訳家。フリーライター。 訳書に『チーズはどこへ消えた?』(扶桑社)、『カエルを食べてしまえ! 』『1分間顧客サービス』(ダイヤモンド社)など、多数。



  • はてなブックマークに追加