カルチャー
2014年4月7日
女性のほうが高いUAEの大学進学率。仕事もオシャレも楽しんでます!
[連載]
住んでみた、わかった! イスラーム世界【4】
文・松原直美
UAE女子学生の型破りすぎるシューカツ!?
ドバイやアブダビのお金持ちのお嬢さんたちも、それほどお金持ちでない人と同じように就職活動をします。就活は日本の大学生のように大学2年生や3年生からはじめるわけではなく、卒業間近になってから、または卒業後にゆっくりはじめる人が多いです。そのため卒業後、1、2年してから「希望の会社に就職しました!」というお便りをもらうことも少なくありません。
女性の就職について、UAEでは「良きイスラム女性教徒として生きる」ことを目指す女性が多いため、前述のように、知らない男性と接触の無い在宅勤務や、女性だけの職場で働くことを希望する女性が少なくありません。
しかし、最近は日本人と同じように、男女がいる普通の職場に勤める若いUAE人女性も増えてきています。
各大学では、就職活動の指南をする就職相談室で、面接の心得を伝授したり、リクルート会社から人が来て、就職活動について説明したりするワークショップが開かれます。企業での面接で、「するべきこと」「してはいけないこと」をまとめた詳細なパンフレットがあります。日本の大学でも同じような注意をしていると思われる項目もありますが、以下のようなUAEならではの注意点がおもしろいです。
・組織内に影響力のある知人や友人を持っていることをほのめかす
⇒「私のパパはこの会社の親会社の重役です」などと言う学生が多かったのでしょうか。わざわざ「それは言ってはいけません!」と書かれています。
・机の上に何も置かないこと
⇒UAE人女子は、椅子に座るとき、机の上にドカーンと大きなブランドバッグを置きます。
・身振り手振りを使って話す限度を越えないこと
⇒UAE人女性は表現力が豊かな人が多く、話すとき手のジェスチャーを駆使します。
・「あー(Uh)」「あのね~(You know)」やスラングを使わない
⇒英語は日常的に口語でしゃべっているだけに、丁寧に話す習慣は乏しいと言えます。
・給料を自分から聞くな
⇒給料が高いことは、UAE人にとって職場選びの最も大事な点ですが、面接のときは聞いちゃいけませんね。
・15分前に試験場に到着していること
⇒これはUAE人にとって最も難しいかも。
・華美になるな。香水は少しだけにして、化粧も薄く、アクセサリーも少しに
⇒この注意書きを書かないと、香水の匂いがきつすぎて、それだけで面接官に悪印象を与えてしまう女子がいるかも。
UAEでは外国人のホワイトカラー層がたくさんいるため、UAE人学生の就職状況は厳しいのですが、上記のような就職指南を参考にしながら、時間をかけてゆっくりとがんばっています。
(第4回・了)
【著者】松原 直美(まつばら なおみ)
1968年東京生まれ。上智大学経済学部卒業。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際関係学専攻博士後期課程退学。タイの公立高校日本語講師を経て、ドバイへ2006年に移動。UAE国立ザーイド大学にて日本語指導と空手道の初代講師として、2007年~2012年まで勤務。UAEでは茶道の振興にも携わった。現在はロンドン在住だが、UAEと日本の架け橋となるべく活動を続けている。著書に『住んでみた、わかった! イスラーム世界』がある。 ブログ「ドバイ千夜一夜」(http://blogs.yahoo.co.jp/dubai1428)は、2007年から連載をはじめ、もう少しで1000回を数える。
1968年東京生まれ。上智大学経済学部卒業。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際関係学専攻博士後期課程退学。タイの公立高校日本語講師を経て、ドバイへ2006年に移動。UAE国立ザーイド大学にて日本語指導と空手道の初代講師として、2007年~2012年まで勤務。UAEでは茶道の振興にも携わった。現在はロンドン在住だが、UAEと日本の架け橋となるべく活動を続けている。著書に『住んでみた、わかった! イスラーム世界』がある。 ブログ「ドバイ千夜一夜」(http://blogs.yahoo.co.jp/dubai1428)は、2007年から連載をはじめ、もう少しで1000回を数える。