成功するなら、今やる

　あの有名予備校の講師のおかげで流行語みたいになったが、成功者は皆「いつか」ではなく「今やる」ことを習慣にしている。

　そもそも富を自分のところにやってこさせようと思うのなら、世界に対して何らかの働きかけ、行動を起こさなければ富は移動してこない。ここで言う"世界"とは海外のことではなく、あなたの身近な周囲、あなたが仕事や生活で関わっている社会のことだ。

　そうした身近な世界の誰かを動かせる人は、やがて広い世界を動かすようになり、富の移動も実現させることができる。

　だが、ずっと成功できない人というのは、身近な世界の人を動かすことができていない。

「いつか、自分がこんな立場になったらやろう」
「いつか、自分がこれぐらいお金を持ったらやろう」

　そんなふうに「いつか」を言い訳にして、結局、いつまでも身近な世界を動かして、誰かに感謝されたり、喜ばれて報酬を得ることもなく、年齢だけを重ねてしまうのだ。

　そんな人になりたくはないはずだ。

　だったら、今日から「いつか」は自分のNGワードにして、思い立ったことは「今やる」習慣をつけてみよう。

　そうすれば、意外にあっけなく身近な世界での成功を実感でき、そこからさまざまな手段を使って、広い世界での成功も手にすることができるのだ。

　嘘だと思うなら、自分自身のことを振り返ってもらいたい。あなたに成功体験があれば、そこには必ず、誰か他者を喜ばせたり感謝されるような行動をした記憶がくっついているはずだ。

　そして、その行動は「いつか」ではなく、そのときに時間を置かずに「今」やっていたはずである。

「いや、でもまだ準備不十分だし、リスクが......」

　そもそも、そんなふうにリスクを取る覚悟がない時点で成功なんてできない。

　今の状態を続けていたってリスクに見舞われない保証などない。

　たとえ、不十分であっても「あのとき、やっておけば」とあとから後悔することの方が人生は多いのだ。

　それに、どんなことでも"決める"という経験を積んでいくと、それ自体が財産になる。決める行為が成功要因になるのだ。

　年齢のことをやたら気にする人。こういう人も成功から見放される。

「もう30代、40代だから、今さら......」

　そんなふうに自分に自信が持てない人は、歴史を勉強してみればいい。人生50年と言われていたその昔、三国志の劉備は、40代で何度も再起を図っている。今の人たちの年齢でいえば60代～70代だろう。

　成功するのに年齢は関係ない。今日のあなたが一番若いのだ。

　逆に言えば、若さを勘違いするのもダメだ。

　大学生がヘラヘラしながら「あー、自分まだ大学生なんで大丈夫っす」と若いことを言い訳に使っているが、馬鹿でしょ。

　若くても半端じゃなく頑張ってる人間はいくらでもいる。若いからとか、もうこんな年齢だからとかは、成功するために一切必要ない。

　いずれにしても、すべてに共通するのは「今」起こっていること、「今」の感情を冷静に見極めた行動を、先延ばしにせずに「今やる」ということ。

「今やる力」は、成功者には絶対に欠かせないものだということは、忘れないでもらいたい。

（第1回・了）

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