ビジネス
2014年4月22日
与沢翼・成功のカラクリ【3】成功者を分析し、愚直にマネをしろ
[連載] 秒速で10億円稼ぐありえない成功のカラクリ【3】
文・与沢 翼
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成功者の表面のテクニックだけマネするな


 人生には潜伏期間というものが必ずある。何かを始めたらすぐに成功するなんて絶対にあり得ない。力を溜めていて、何かの瞬間にドライブがかかって一気に上昇する。

 じつは、その潜伏期間のうちに、どれだけ成功のための根本的スキルを身につけておけるかというのが超重要だ。

 成功する人は、どの人もちゃんと成功するための根本的スキルを持っている

 ただし──。ここがポイントなのだが、それは表面的なスキルのことではない。たとえ、パッと見て分かるようなスキル(たとえば、セールストーク)などを駆使していたとしても、それをそのまま表面的にマネしても成功することは難しいだろう。

 なぜなら、根本が違うからだ。同じようなことを話しても、Aさんが言うと「引き込まれて」Bさんが言うと「うさんくさい」というようなことはよくある。それは、内在的に積み重ねられたスキルが使われているのか、ただ表面的なトークだけになっているのかの違いだ。

 特に成功者に共通しているのは対人折衝、コミュニケーションスキル、そこでの言葉や文章の積み重ねられたスキルが磨かれている。だからこそ差が出るのだ。

 それにプラスして現在ではITリテラシーも必須。音声認識技術も加わり、今では人間以外のパートナーとしての役割も担ってきている。そうしたITをストレスなく扱えるかどうかというのも、成功をつかむ上で大きな意味を持つ。

 成功者は、成功マインドをもたらす思考、そして根本的なスキルを用いることで、いろいろな協力者やパートナーを引き寄せ「自分に足りないもの」を他から調達して、事業を起こしたり前に進むための力を得ているのである。

 どんなにすごい成功者でも、最初からすべてを持っていたわけではない。世界長者番付に名を連ねる、孫正義さんもそうだ。孫さんも何の後ろ盾もない状態から、単身アメリカに渡り、根本的スキルを積み重ね、交渉につぐ交渉を行って、今の成功を築き上げた。

 今の孫さんの姿だけを見て「あんなふうに成功したい」と思うのは浅はかすぎる。20代のころから根本のスキル、原理原則を身につけてきているから今があるのだ。

 どんなスキルも勉強期間があるからこそ身につく。要領よくやっているように見える人も、それまでに基礎ができているから要領よくやれるだけのことだ。基礎を面倒くさがってすっ飛ばしてる人が、いきなり成功法則の表面的なところだけ要領よくマネしようと思ったとしても無理。

 考えてみれば分かる。どんな商売でもいいが「良いものを安く仕入れて、できるだけ高く売る」のは利益を上げるための基本である。あの京セラ創業者の稲盛和夫さんだって、最初はそこから経営を始めている。数学というよりも算数、四則演算だ。

 はやっているから、売れるからと、原価の高いものを仕入れて売っていても利益は出しにくいし、もし売れ残って在庫になれば大きな損をする。

 なのに、商売の基本を軽く扱っていきなり「高度な方程式」をやりたがる人が多い。

 だが、四則演算をマスターできていない人間が方程式をやってもうまく操れない。たまたま、うまくいくこともあるが、状況が変わってパラメータ(媒介度数)が変われば操れなくなる。

「うらやましい。こんなふうにうまくやれたらいいな」と、周りから見られるような継続的な成功と成長ができている人は、必ず根本的スキルを身につけ商売の基本も外していない。徹底して基礎が鍛えられているからこそ、状況が変わっても成功できるのである。

(第3回・了)





秒速で10億円稼ぐありえない成功のカラクリ
与沢 翼 著



【著者】与沢 翼(よざわ つばさ)
1982年11月11日生まれ。早稲田大学卒業。株式会社Free Agent Style Holdings代表取締役会長。2017年、年商1000億円のグループ企業を目標にビジネスを展開し続ける。テレビ番組「笑っていいとも」「ダウンタウンDX」「有吉ジャポン」「ありえへん∞世界」、雑誌「週刊新潮」「週刊ダイヤモンド」「AERA」「週刊ポスト」「東京ウォーカー」、ラジオ「J-WAVE」など多数出演。今、最も注目を集める若手起業家である。著書に『Super Free Agent Style』(角川フォレスタ)、『秒速で1億円稼ぐ条件』(フォレスト出版)、『秒速で10億円稼ぐありえない成功のカラクリ』(SBクリエイティブ)がある。
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