スキルアップ
2014年6月9日
なぜ人はゲームにハマるのか【後編】フロー理論
[連載] なぜ人はゲームにハマるのか【2】
文・渡辺 修司/中村 彰憲
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ゲームに見られるフロー理論


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 続いて、ゲームにおけるフロー理論について分析してみましょう。例として取り上げるのは、3Dアクションゲームの「DEVIL MAY CRY 4」です。

 本作の冒頭シーンはチュートリアル形式で進み、プレイヤーは決められた手順を踏みながら、徐々に操作方法をマスターしていきます。最終段階ではフリープレイとなり、これまでに覚えた操作を自由に活用しながら、目の前の障壁をクリアしていくことが求められます。いわば「最終試験」というわけです。

 もっとも、この部分はゲーム全体で言えば序章にすぎません。本作は、いくつかのボスキャラクターを倒しながら全体のストーリーを進めていく構造となっています。特に序盤から中盤までは、各ボスキャラクター攻略時に求められる攻撃方法が異なっています。ボスを倒す難易度は、どんどん上がっていくのです。そのため、プレイヤーは新しい技を覚えるなど、自身のスキルを上げていく必要があります。

 このように、ストーリーの進展にともなって難易度とスキルの両方が徐々に上がっていくようにデザインされています。つまり、ゲームの最初から最後まで、プレイヤーをフロー状態に留めようとしているわけです。

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 同様の設計は「ドラゴンズドグマ」にも見られます。本作はオープンワールド形式のファンタジーRPGですが、冒頭のチュートリアル部分は一本道のダンジョンとなっています。プレイヤーはこのダンジョンを進みながら、基本的な戦闘方法や、パーティープレイの方法について学んでいきます。そして最後に、それまでに学んだ操作方法を駆使してボス敵を倒し、チュートリアルを終了します。ここにもまた、難易度とスキルを徐々に高めていく流れが見て取れます。

(『なぜ人はゲームにハマるのか』より)
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なぜ人はゲームにハマるのか
開発現場から得た「ゲーム性」の本質
渡辺 修司、中村 彰憲 著



【著者】渡辺 修司(わたなべ しゅうじ)
2007年より大学の教鞭をとり、2010年度より正式に立命館大学映像学部准教授に専任。現職 日本デジタルゲーム学会研究委員、立命館大学ゲーム研究センター運営委員。1997 年 「FinalFantasy7 international」(株式会社スクウェア) でゲーム業界に参加後、多数の会社で企画・監督職として参加。代表作は、2008年「internet Adventure」(株式会社セガ) 原案・企画監修。2004年 エンターブレイン主催 第1回ゲーム甲子園 大賞受賞 「みんなの城」個人作品、2003年 メディア芸術祭審査員推薦作品 「ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国」(株式会社タイトー 2003年)、原案・監督職

【著者】中村彰憲(なかむら あきのり)
立命館大学映像学部教授、日本デジタルゲーム学会副会長、立命館ゲーム研究センター運営委員。名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程後期修了後、早稲田大学アジア太平洋研究センター助手、立命館大学政策科学部助教授を経て現職。東京ゲームショウアジアビジネスフォーラムアドバイザー(2010ー2011)、太秦戦国祭り実行委員会委員長(2009-2012)などを歴任。主な著書に、「デジタルゲームの教科書」(SBクリエイティブ、アジア市場を担当)、「ファミコンとその時代」(NTT出版、上村雅之氏、細井浩一氏と共著)、「テンセント VS. Facebook」、「グローバルゲームビジネス徹底研究」、「中国ゲームビジネス徹底研究」シリーズ(全てエンターブレイン)など多数。「ファミ通ゲーム白書」においては創刊以来、一貫して中国及び新興市場を担当する。最近は、GPS機能を活用したゲーム的アプリ開発のプロジェクトにも参画し、GDC2012でも講演。博士(学術)。