カルチャー
2014年4月4日
あなたの肥満遺伝子は「りんご型」?「洋なし型」?「バナナ型」?
[連載] 最短で効く!遺伝子タイプ別ダイエット【2】
文・白澤卓二・DHC
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肥満に関連する遺伝子3つの遺伝子のタイプがわかると、控えたほうが良い成分、積極的に摂りたい成分、やせるための最適なエクササイズも判明する! 自分の体質に応じたダイエット法こそ、科学的なリバウンドしないやり方だった!!


日本人にとくに顕著に見られる3つの肥満関連遺伝子とは?


 前回、人類の歴史の中で飢餓の時代に「倹約遺伝子」として人間の活動を支えていたものが、現代ではさまざまな病気をもたらす「肥満遺伝子」になってしまった、というお話をしました。

 今回は「肥満遺伝子」についてより詳しく見ていきましょう。現在、肥満に関連する遺伝子は約60種類ほど確認されています。ここでは、そうした肥満に関連する遺伝子の中でも脂質代謝や熱エネルギー産生に深く関わるものとして、日本人肥満者の遺伝的特徴から顕著に見られる、以下の3つの遺伝子について解説していくことにします。

主な肥満遺伝子とその基礎代謝量に与える変化 ※クリックすると拡大

◎β3AR遺伝子
この遺伝子を形成する408個のアミノ酸のうち、1カ所に変異があると、基礎代謝量が1日200キロカロリー低下すると言われています。日本人の約34%がこの遺伝子を持っています。

◎UCP1遺伝子
この遺伝子に変異があると、1日の基礎代謝量が100キロカロリーほど低下するとされており、約35%の日本人が該当するとされます。

◎β2AR遺伝子
この遺伝子に変異があると、1日に200キロカロリーほど基礎代謝量が増えるとされます。

 遺伝子検査で自分が受け継いでいる肥満遺伝子/浪費遺伝子を知ることで、1日の基礎代謝量をまず大まかに計算することができます。

 ちなみに、通常の基礎代謝量は、1日どのくらいかご存じですか?

 答えは、男性で1日の平均が1500キロカロリー、女性では1200キロカロリーとされています。肥満遺伝子により、そのうちの数百キロカロリーが前後するというのですから、数字としても非常に大きいことが分かります。

ホモ、ヘテロ、ワイルドかで遺伝子の影響度合いが変わる


 また、一言に変異といっても、ふたつのパターンがあります。人は両親から1セットずつ遺伝子を引き継ぐため、合わせて2セットの遺伝子を持っています。この両方に変異がない場合を「ワイルド(-)」、片方だけに変異がある場合を「ヘテロ(+)」、両方に変異がある場合を「ホモ(++)」と呼び、両方に変異がある「ホモ」は、片方だけの「ヘテロ」の場合より、遺伝子変異の影響がより出やすいと考えられているのです。

 こちらも遺伝子検査でチェックすることができるので、覚えておきたいところです。これらの変異はDNAの塩基配列を高速で解読する機械(シークエンサー)を使用することにより正確に判別が可能です。このシークエンサーを駆使することにより、微生物やマウスをはじめ、人の全遺伝子が解読されてきました。





最短で効く!遺伝子タイプ別ダイエット
自分の「遺伝子型」を知れば、痩せられる
白澤卓二・DHC 著



【著者】白澤卓二(しらさわたくじ)
順天堂大学大学院医学研究科、加齢制御医学講座教授。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て2007年より現職。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。著書に『100歳までボケない101の方法』『老いに克つ』『免疫力をアップする、塩麹のおかず』『100歳までボケない手指体操』『100歳までサビない生き方』『「砂糖」をやめれば10才若返る!』など。

DHC(でぃーえいちしー)
ライフサイエンス事業部は、化粧品・健康食品を展開する株式会社DHCの事業部門のひとつ。「自分の体質をよく知ることで上手に健康管理をし、いつまでも元気に過ごしていただく」をテーマに、遺伝子検査キットおよび検査結果に対応したサプリメントや化粧品などを開発・販売。最新科学に基づいた検査で遺伝的リスクを調べ、体質に合ったライフスタイルを提案している。また、「ダイエット対策キット」の検査者を対象に、「3カ月ダイエット」や「体質別ダイエット合宿」を実施するなど、遺伝子検査を中心に科学的根拠に基づいた商品・サービスの開発を行い、遺伝子レベルから健康と美容をサポート。「ダイエット対策キット」のほか、「美肌対策キット」がある。
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